出版社内容情報
●内容
従来の認知科学においては、個人内での認知・思考・情報処理が主な研究の対象になっていたが、最近、そこに社会的な視点が導入され、複数の人間による認知や思考の重要性が認識されつつある。つまり、「認知や思考の社会性」が重視されつつある。本書では、この視点の重要性・妥当性や意義を、「人と人とのコラボレーション」を中心に、具体的な研究事例を中心に掲載した。雑誌「認知科学」Vol.3,No.4 で特集した「コラボレーション」を軸に書き下ろしを含めて構成した。
●目次
第一部 認知科学の問題としての協同:その定義とアプローチ
第二部 研究事例
1章 協同行為と相互作用
2章 共有される認知空間と相互作用による創発の出現可能性
3章 協同による科学学習における問題を中心に据えた探索
4章 親子の協同による科学学習の実際とその支援
5章 ダイナミックな意思決定におけるグループによる問題解決
6章 認知科学:その学際性について
7章 金融市場における意図せざる協調現象
目次
第1部 認知科学の問題としての協同―その定義とアプローチ(協同―社会心理学的視点から;社会文化的な枠組からの開放的協同活動の概念の定義;ヴィゴツキー主義の視点からの協同問題解決の研究;社会的な心の協同に関する再考;2人の相互作用による協同学習の研究において見失っているものは何か―さまざまな領域での変化や相互作用の展開過程を調べることの重要性 ほか)
第2部 研究事例(協同行為と相互作用―構造的視点による検討;共有される認知空間と相互作用による創発の出現可能性;協同による科学学習における問題を中心に据えた探索;親子の協同による科学学習の実際とその支援;ダイナミックな意思決定におけるグループによる問題解決―問題の複雑さと推論の多様性;認知科学―その学際性について;金融市場における意図せざる協調現象―人工市場アプローチによる分析)
著者等紹介
植田一博[ウエダカズヒロ]
1993年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。博士(学術)。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻助手、同助教授を経て、現在東京大学大学院情報学環・学際情報学府助教授。専門 科学的発見(特に類推と協同)、図的推論、認知的インタフェース、人工社会・経済機械学習など。主著に『科学を考える:人工知能からカルチュラル・スタディーズまで14の視点』(共著、北大路書房)、『アナロジーの力:認知科学の新しい探求』(共訳、新曜社)
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nakopapa
教育問者