出版社内容情報
本書は同シリーズ基礎編の続編として書かれたスピントロニクスの応用編である。物性物理学とエレクトロニクスの諸分野を取り込みながら急速に発展してきたスピントロニクスを理系大学の一般教養程度の知識で読み解くことができるように書かれた入門書である。専門用語が多く他の分野からは分かりにくいと思われがちなスピントロニクスを基礎から順を追って分かりやすく解説している。電磁気学・量子力学の基礎などの基礎的な予備知識については付録を多く設けて独学できるように工夫している。量子力学については相対論的量子論や第二量子化、グリーン関数などの高度な予備知識は必要としない。そのような予備知識がなくても付録を参考にすることにより最先端のスピントロニクスの理解に到達できるように工夫している。大学の講義に使用できるように本文の内容をできる限り短く抑え、付加的な知識や基礎となる理論については付録に収めた。また、応用編として実際にこの分野の研究・開発の携わる人の役に立つように実験技術の記述・実験データの解析に必要な具体的な表式の理解と導出、さらに解析や設計に必要な物性値の具体例を多く挙げることに努めた。このことにより実用的な書物になっている。
目次
第1章 スピンの発見からスピントロニクスまで
第2章 スピントロニクスの実験技術
第3章 スピントロニクス物質・素子の磁気構造
第4章 スピントロニクス素子とデバイス物理
第5章 スピントロニクスの応用
第6章 スピントロニクスの展開
付録A:基本的事項に関する説明
付録B:本書で用いる略語の表
付録C:基礎物理定数
付録D:本書で用いている変数の抜粋
付録E:周期律表
著者等紹介
鈴木義茂[スズキヨシシゲ]
1984年筑波大学大学院理工学研究科修士課程修了。1990年博士号取得(筑波大学)。現職:大阪大学大学院基礎工学研究科教授、工学博士。専門:スピントロニクス、物性物理
久保田均[クボタヒトシ]
1994年東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了。現職:産業技術総合研究所新原理コンピューティング研究センター副研究センター長、博士(工学)。専門:スピントロニクス
野〓隆行[ノザキタカユキ]
2006年東北大学大学院工学研究科博士後期課程修了。現職:産業技術総合研究所新原理コンピューティング研究センター不揮発メモリチーム長、博士(工学)。専門:スピントロニクス
湯浅新治[ユアサシンジ]
1996年慶応義塾大学大学院理工学研究科博士課程修了。現職:産業技術総合研究所新原理コンピューティング研究センター研究センター長、博士(理学)。専門:磁性、スピントロニクス、固体物理
中谷友也[ナカタニトモヤ]
2011年筑波大学大学院数理物質科学研究科博士後期課程修了。現職:物質・材料研究機構磁性・スピントロニクス材料研究センター主幹研究員、博士(工学)。専門:スピントロニクス、磁気記録、磁気センサー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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