出版社内容情報
●内容
今や、大学や高専においても、従来の伝熱工学や流体力学の基礎知識に加えて、その数値シミュレーションの素養をも身につけた人材の教育が不可欠となってきている。本書は入門書であるが、読者は熱流体力学(伝熱工学および流体力学)の基礎を理解し、付録の完全対話型ソフトウエアSAINTS2000(格子数31×31)を用いて、熱流動の数値シミュレーションを体得することができる。なお、研究者および実務者用にフルバージョン(格子数201×201)を別売している。これは、現実の熱流体機器の設計支援ツールとしての使用に耐えうるものである。
●目次
第1章 緒 論
1.1 熱流体力学の誕生の背景
1.2 熱移動の様式
1.3 フーリエの法則および熱伝導率
1.4 熱伝達率と温度境界層
第1章 演習問題
第2章 定常熱伝導
2.1 熱伝導の基礎方程式
2.2 定常一次元熱伝導
2.3 電気回路との類似性
2.4 熱貫流率と接触熱抵抗
2.5 断熱における臨界半径
2.6 内部発熱がある場合の定常一次元熱伝導
2.7 フィンからの放熱
第2章 演習問題
第3章 非定常熱伝導
3.1 物体内部温度の変化が無視できる場合
3.2 半無限固体内の非定常熱伝導
3.3 無限平板の非定常熱伝導
第3章 演習問題
第4章 層流対流熱伝達
4.1 レイノルズ数、層流と乱流
4.2 ヌッセルト数
4.3 支配方程式の導出
4.4 十分に発達した層流内部流れの速度場
4.5 十分に発達した層流内部流れの温度場
4.6 等熱流束下の層流内部流れのヌッセルト数
4.7 等温壁下の層流内部流れのヌッセルト数
4.8 層流境界層方程式の導出
4.9 層流熱伝達のスケール・アナリシス
4.10 集中熱源からの層流強制対流熱伝達
4.11 水平平板からの層流強制対流熱伝達
4.12 くさび面からの層流強制対流熱伝達
4.13 層流強制対流熱伝達における漸近解
4.14 境界層積分方程式の導出
4.15 積分法による水平平板層流強制対流熱伝達の解析
4.16 任意二次元形状物体からの層流強制対流熱伝達
4.17 層流自然対流熱伝達における基礎方程式
4.18 垂直平板からの層流自然対流熱伝達の厳密解
4.19 垂直平板からの層流自然対流熱伝達の漸近解
4.20 積分法による垂直平板層流自然対流熱伝達の解析
第4章 演習問題
第5章 乱流対流熱伝達
5.1 乱流の特徴
5.2 レイノルズ平均
5.3 渦粘性モデルおよび混合距離理論
5.4 壁乱流と壁法則
5.5 乱流強制対流の摩擦係数およびヌッセルト数
5.6 乱流自然対流のヌッセルト数
5.7 乱流自由噴流
5.8 レイノルズ応力輸送方程式
5.9 レイノルズ応力モデル
5.10 レイノルズ応力モデルに関する考察
5.11 二方式乱流モデル
5.12 二方式乱流モデルにおける係数の決定
5.13 壁法則に基づくマッチング
第5章 演習問題
第6章 沸騰と凝縮
6.1 沸騰曲線
6.2 気泡の核
6.3 プール核沸騰の整理式
6.4 核沸騰への対流の影響
6.5 プール核沸騰の限界熱流速
6.6 Bromleyのプール膜沸騰の解析
6.7 管内流動沸騰
6.8 滴状凝縮と膜状凝縮
6.9 Nusseltの膜状凝縮の解析
第6章 演習問題
第7章 熱放射
7.1 黒体およびステファン・ボルツマン則
7.2 乱反射および灰色体
7.3 吸収率、反射率およびキルヒホフの法則
7.4 放射強度とランバートのCOSINE則
7.5 黒体面間の放射伝熱および形態係数
7.6 灰色体の放射伝熱および射度
7.7 電気回路と放射伝熱の類似性
7.8 気体の熱放射
第7章 演習問題
第8章 常微分方程式の数値積分
8.1 テイラー展開とオイラー法
8.2 ルンゲ・クッタ・ジル法による数値積分
8.3 境界値問題の解法
8.4 層流強制対流熱伝達の解法
第8章 演習問題
第9章 熱流動の数値シミュレーション
9.1 コントロール・ボリュームに基づく離散化
9.2 有限体積法の基礎
9.3 スタッガード格子
9.4 離散化方程式の導出
9.5 圧力補正式の導出
第9章 演習問題
第10章 熱流動解析コードSAINTS
10.1 SAINTS2000の座標系と支配方程式
10.2 無次元計算と有次元計算
10.3 SAINT2000の全体像
10.4 速度既知境界および速度未知境界(ランプ法)
10.5 SAINTS2000の操作方法
第11章 SAINT2000の応用例
11.1 一次元非定常熱伝導(例題1)
11.2 二次元非定常熱伝導(例題2)
11.3 円管内層流強制対流熱伝達(例題3)
11.4 円管内乱流強制対流熱伝達(例題4)
11.5 密閉容器内の自然対流(例題5)
11.6 カルマン渦(例題6)
11.7 バックステップ後方の乱流再循環流(例題7)
11.8 車体まわりの乱流(例題8)
11.9 スワール燃焼器内の三次元熱流動(例題9)
11.10 エアコンによる室内暖房(例題10)
11.11 おわりに
第11章 演習問題
参考書籍および参考文献
演習問題に対する解答およびヒント
内容説明
本書は、大学、大学院あるいは高専の機械工学や化学工学の分野において、熱流体力学、すなわち、熱および運動量の輸送現象(熱移動または伝熱)およびその数値シミュレーション法を学ぶ学生のための教科書、並びにこの分野に携わる技術者の入門書として書かれたものである。
目次
第1章 緒論
第2章 定常熱伝導
第3章 非定常熱伝導
第4章 層流対流熱伝達
第5章 乱流対流熱伝達
第6章 沸騰と凝縮
第7章 熱放射
第8章 常微分方程式の数値積分
第9章 熱流動の数値シミュレーション
第10章 熱流動解析コードSAINTS
第11章 SAINTS2000の応用例
著者等紹介
中山顕[ナカヤマアキラ]
1976年静岡大学工学部機械工学科卒業。1981年University of Illinois at U‐C博士課程修了(Ph.D.)。1982年静岡大学工学部機械工学科講師。1983年同助教授。1994年同教授
桑原不二朗[クワハラフジオ]
1987年静岡大学工学部機械工学科卒業。1989年静岡大学大学院工学研究科修士課程修了。1989年静岡大学工学部機械工学科助手。1997年工学博士。1997年静岡大学工学部機械工学科講師。2001年同助教授
許国良[キョコクリョウ]
1988年華中理工大学工学部動力工学科卒業。1994年華中理工大学大学院博士課程修了(工学博士)。1994年華中理工大学工学部動力工学科講師。1998年同副教授
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