出版社内容情報
本書は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」実現のために成長が期待される分野を取り上げ、ぞれぞれの概要と研究トピックスをまとめたものである。持続可能な社会の構築を目指し、環境への負荷を低減するための技術や取り組みであるグリーンテクノロジーについては、多岐の分野が複雑に関係している。それを学ぶ学生においても、専門分野のみならず関連する各分野で取り組まれている技術の相互関係を理解し、俯瞰的な視点を持つことが必要とされる。本書は著者20名により執筆され、各々の専門である工学、環境学、建築学、生活デザイン学、経済学等の分野での取り組みについてやさしい言葉で述べるとともに、最新の研究内容についても紹介する。大学1・2年生を対象としているが、3・4年生や大学院生にも対応できる内容となっている。本書でグリーンテクノロジーの基礎理論を理解したうえで、興味ある分野や技術を見出して将来の方向性を想像するガイドにもなりうる。
【目次】
第1章 洋上風力産業
1.1 洋上風力発電産業
1.1.1 洋上風力発電産業
1.1.2 風力発電の基礎知識
1.1.3 日本での風力発電
1.1.4 日本における再生可能エネルギー利用
1.1.5 洋上風力発電について
1.1.6 洋上風力発電普及に向けて
第2章 自動車・蓄電池産業
2.1 蓄電池産業
2.1.1 はじめに
2.1.2 リチウムイオン二次電池の基本構造および動作原理
2.1.3 リチウムイオン二次電池のリサイクル
2.1.4 車載リチウムイオン二次電池の再利用によるスマートグリッド構想
2.2 交通と環境対策
2.2.1 モータリゼーションと環境悪化
2.2.2 交通にかかわる温室効果ガスの排出状況
2.2.3 交通需要マネジメント
2.2.4 研究事例
2.2.5 モビリティ・マネジメント
2.2.6 2030 年度に向けた地球環境政策
第3章 半導体・情報通信産業
3.1 半導体
3.1.1 半導体産業の重要性と現在までの進展,日本の状況
3.1.2 半導体を用いたデバイスの詳細とその集積化の過程
3.1.3 シリコン半導体素子の製造工程
3.1.4 従来の集積化以外でのコンピュータの処理能力向上の方向性
3.1.5 消費電力の削減に関する取り組み
3.1.6 半導体を用いたエネルギーの生成
3.1.7 おわりに
3.2 情報ストレージ
3.2.1 ビッグデータ
3.2.2 データセンターの消費電力
3.2.3 データセンターのサーバ構成
3.2.4 ストレージシステムの省エネ化
3.2.5 ハードディスクドライブ(HDD)の消費電力
3.2.6 磁気記録の主役の一つ:磁気ディスク
3.2.7 磁性結晶が磁石になる理由
3.2.8 磁気記録のもう一つの主役:磁気ヘッド
3.2.9 まとめ
3.3 クラウドシステムと省電力化
3.3.1 コンピュータの仮想化
3.3.2 クラウドシステムとクラウドコンピューティング
3.3.3 情報システムとサーバ
3.3.4 クライアントからサーバへのアクセス
3.3.5 サーバの性能
3.3.6 仮想化による省電力
3.3.7 仮想化サーバによる性能の節約と省電力化
3.3.8 クラウドによる省電力
3.4 環境情報リモートセンシング
3.4.1 リモートセンシング
3.4.2 ライダーの原理
3.4.3 目に対する安全性
3.4.4 ドップラー風ライダー
3.4.5 数値予報 <