論理的創薬入門―構造生物学に基づくアプローチ

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  • サイズ A5判/ページ数 283p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784320061545
  • NDC分類 499.3
  • Cコード C3047

出版社内容情報

●内容
 創薬をキーワードにした本はたくさんあるが、本書は、論理的創薬法に関する初めての体系的な解説書である。論理的創薬は、今までに無い考え方からアプローチしようとしており、その基本的立場は、構造生物学によっている。すでに、論理的創薬の考え方によって、抗インフルエンザ薬のタミフル、抗エイズ薬である各種酵素阻害剤、抗がん剤のイレッサ等が生まれている。論理的創薬の目指すところは、がん、神経変性疾患、糖尿病、循環器疾患、膠原病、老化等を含む内科疾患全カテゴリー約1000を対象にした、戦略的かつ網羅的な創薬である。これから、創薬研究に進もうとする人や、すでに活躍中の方々にも、本書によってぜひこのようなアプローチを知っていただきたい。


●目次
第1章 総 論
1.1 薬とは?
1.2 創薬のプロセス
1.3 リード化合物から創出される医薬品
1.4 創薬科学
1.5 論理的創薬

第2章 20世紀の2大発見-量子力学と分子生物学―
はじめに
2.1 量子力学と生物学
2.2 20世紀の2大発見
2.3 量子力学とは?
2.4 量子力学の歴史
2.5 分子生物学の歴史
2.6 量子力学の生物学への応用について
文献

第3章 フーリエ変換とタンパク質・核酸の基本立体構造
はじめに
3.1 タンパク質の"かたち"の分類
3.2 タンパク質構造形成(フォールディング)反応
3.3 タンパク質の揺らぎ
3.4 核酸の基本骨格
3.5 電磁波
3.6 薬をつくる
3.7 X線回折
3.8 核磁気共鳴現象
3.9 イメージング
文献

第4章 回折実験によるタンパク質の結晶構造解析
はじめに
4.1 見ることと波
4.2 フーリエ変換による周波数分析
4.3 回折現象の波動光学
4.4 物体による散乱
4.5 結晶による回折
4.6 X線結晶回折によるタンパク質の構造決定
4.7 インフルエンザ治療薬の改良
文献

第5章 タンパク質・核酸の構造ダイナミクス
はじめに
5.1 NMR緩和時間
5.2 線幅解析,リアルタイムNMR
5.3 フォールディング反応
5.4 パルス・ラベル法
5.5 温度ジャンプ法
5.6 高圧NMR
5.7 アミロイド形成
文献

第6章 核磁気共鳴分光法(NMR)とその創薬への利用
はじめに
6.1 核磁気共鳴分光法(NMR)
6.2 創薬のためのNMRの利用
おわりに
文献

第7章 計算機実験の基礎
はじめに
7.1 計算機実験の限界
7.2 量子コンピューター
7.3 得られる情報
7.4 エルゴード仮説
7.5 ポテンシャルの問題
7.6 水分子
文献

第8章 計算機シミュレーション
はじめに
8.1 分子シミュレーション
8.2 ドッキングシミュレーション
文献

第9章 分子構造と生理機能
はじめに
9.1 観測者
9.2 自己の種類
9.3 免疫学的自己
9.4 脳が見るもの
9.5 自由と物理法則
9.6 脳機能画像
文献

第10章 タンパク質の構造異常
はじめに
10.1 プリオン病とは?
10.2 タンパク質の立体構造異常による疾患
10.3 プリオンの性質
10.4 プリオンの実体
10.5 プリオンの立体構造
10.6 感染経路
文献

第11章 タンパク質のコンフォメーション制御―分子手術法―
はじめに
11.1 SBDD
11.2 分子手術法1 ―分子安定化―
11.3 分子手術法2 ―分子置換法―
11.4 分子手術法3 ―分子移植法―
11.5 分子手術法の具体例 ―プリオンへの応用―
11.6 プリオンの立体構造
11.7 プリオンの安定性
11.8 プリオンのダイナミクスと創薬ターゲット
11.9 分子手術法の課題

第12章 ドラッグデザイン
はじめに
12.1 置換基の変換
12.2 構造の拡張
12.3 鎖延長/短縮
12.4 環拡大/縮小
12.5 環変換
12.6 環縮合
12.7 等価体
12.8 構造の単純化
12.9 構造の固定化
12.10コンホメーションの障害基
12.11 X線結晶学の研究
12.12 幸運とひらめきという要素
12.13 オキサムニキン開発の事例

第13章 In vitro、in vivoスクリーニング
はじめに
13.1 B型肝炎ウイルス
13.2 B型肝炎ウイルスの複製
13.3 抗ウイルス薬のスクリーニング
13.4 in vivoスクリーニング 文献

第14章 創薬における特許と大学発バイオベンチャー
はじめに
14.1 特許とは?
14.2 特許取得への道
14.3 特許の活用
14.4 大学発ベンチャーにとって特許とは?
文献

目次

20世紀の2大発見―量子力学と分子生物学
フーリエ変換とタンパク質・核酸の基本立体構造
回折実験によるタンパク質の結晶構造解析
タンパク質・核酸の構造ダイナミクス
核磁気共鳴分光法(NMR)とその創薬への応用
計算機実験の基礎
計算機シミュレーション
分子構造と生理機能
タンパク質の構造異常
タンパク質のコンホメーション制御―分子手術法
ドラッグデザイン
in vitro、in vivoスクリーニング
創薬における特許と大学発バイオベンチャー

著者等紹介

桑田一夫[クワタカズオ]
1982年岐阜大学医学部医学科卒業。岐阜大学大学院医学研究科助教授、大阪大学たんぱく質研究所助教授(併任)などを経て2004年より現職。現在、岐阜大学人獣感染防御研究センター・センター長・教授・医学博士・内科医。研究:構造生物学、計算機シミュレーション、有機合成、動物実験、および臨床試験を一貫して行える体制を構築している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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