森林生態系の保全管理 - 森林・野生動物・景観

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森林生態系の保全管理 - 森林・野生動物・景観

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  • サイズ A5判/ページ数 264p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784320058484
  • NDC分類 654
  • Cコード C3045

出版社内容情報

森林生態学の保全管理を考えるとき、あらゆる専門分野を統合する総合的かつ実践的な学問として森林美学がある。
本書はその視点から、森林・野生動物・景観について論じる。

森林科学は、林業のための学問体系として始まり、時代とともに社会のニーズに応えながら、その対象やアプローチを広げてきた。現在では、森林は地球規模の自然生態系として捉えられ、科学的なアプローチの細分化と特化が進むことで、林業の現場でそれらを統合し、実践することがますます困難になっている。そのような状況の中で、森林のあらゆる専門分野を統合する総合的かつ実践的な学問として、森林美学が有用である。

林学は、再生可能な森林資源管理の方法としてドイツから導入したものである。その一つに森林美学があり、これは生態系より前にできあがった概念で、子孫への愛情をもって、森林資源の持続性を担保し実践する体系である。また、森林内外の景観の美的価値を評価し、林業の経済的利益を追求する中で美と功利の調和を図る思想に基づいている。この概念は時代とともに変遷し、森林内外の景観美にとどまらず、森林環境や生態系全体を包括するように拡張されてきた。そのため、森林がグローバルスケールで捉えられるようになった現代において、森林をヒューマンスケールで総合的に捉える森林美学は、現前する森林の課題に一人ひとりが対応するための技術として、改めてその意義を問い直される必要がある。

本書では、森林美学を「森林管理のリテラシー」と位置づけ、人間の風景認識を通じた森林の把握・評価に基づく森林の保全管理の必要性とその実践方法を論じる。現代の森林美学において最も強調すべき点は、自然資本としての森林資源の再生において、野生動物の管理を考慮する必要があることである。森林生態系は、樹木のみならず多様な生物の相互作用によって成り立っている。したがって、野生動物を含めた森林生態系の管理を視野に入れつつ、森林景観の価値を探求する姿勢を強調したい。


【目次】

まえがき〔上田裕文〕

第1章 概論〔上田裕文・梶 光一・宮本敏澄・小池孝良〕
コラム1 森林美学の概観・歴史・言葉〔小池孝良〕
文献


◆第一部 日本の人工林の課題と対処◆

第2章 現在の課題〔リード文:小池孝良・梶 光一〕
2.1 森林美学と植生・光〔小池孝良・真坂一彦〕
 2.1.1 19世紀からの森林管理の流れ
 2.1.2 植生と入射光の役割
2.2 野生動物の食害
 2.2.1 ニホンジカによる植生への影響と生態系へのインパクト〔大橋春香〕
 2.2.2 森林生態系でのクマ類の役割〔小池伸介〕
◇コラム2.2.2_1 ヒグマの食性から紐解く過去の森林生態系〔松林 順〕
◇コラム2.2.2_2 ブナ科堅果の豊凶とクマの出没〔藤木大介〕
2.3 自然再興〔松島 肇・北岡真吾〕
2.4 環境資源学の視点〔田中和博〕
◇コラム2.4 竹とイノシシ〔佐野淳之〕
文献

第3章 森林管理と生態学の基本〔リード文:小池孝良〕
3.1 森林生態学の視線〔小池孝良〕
 3.1.1 森林の成長の原理
◇コラム3.1.1_1 見直された地位指数曲線
◇コラム3.1.1_2 無花粉スギ・クローン
 3.1.2 植生遷移の理論
◇コラム3.1.2 GrimeのCSRモデル
 3.1.3 階層構造の捉え方
3.2 共生菌類の働き〔崔 東壽〕
 3.2.1 共生菌の種類と役割
 3.2.2 共生菌による植物の防御応答強化メカニズム
 3.2.3 まとめ
◇コラム3.2 pHと植生分布〔渡部敏裕〕
3.3 森林更新と菌根菌〔松田陽介〕
 3.3.1 菌根共生からみた森林更新
 3.3.2 森林更新における菌根菌の働き
◇コラム3.3_1 酸性土壌とツツジの栽培〔江尻(野田)晴美〕
◇コラム3.3_2 混交林化と共生菌類〔小池孝良〕
文献

第4章 人工林の課題と保全管理〔リード文:小池孝良〕
4.1 森林のゾーニング〔光田 靖〕
◇コラム4.1 ドローン(UAV)の利活用〔丹羽英之〕
4.2 林縁効果:境界領域の生態学〔平田令子・伊藤 哲〕
 4.2.1 林縁形成と林縁効果
 4.2.2 動物・森林被害と林縁
4.3 将来木施業〔小池孝良〕
◇コラム4.3_1 シマフクロウと人工林〔早矢仕有子〕
◇コラム4.3_2 大径木の扱い〔高橋絵里奈〕
4.4 混交林化と択伐〔小池孝良〕
 4.4.1 混交林と森林美学
 4.4.2 混交林への誘導
 4.4.3 択伐林施業の事例
◇コラム4.4_1 多様な間伐様式〔小池孝良〕
◇コラム4.4_2 マツノネクチタケ〔徳田佐和子〕
4.5 自伐林業:智頭林業を例に〔國岡将平・山本福壽〕

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