出版社内容情報
本書は,落葉した樹木を著者の直筆スケッチで紹介した力作である。
樹木の分類では,生殖器官の花,そして,栄養器官の葉が同定の基準となっている。開花期や着葉期には,それらで十分である。けれども,北国では落葉樹が多く生育していて,しかも着葉期間と落葉期間の長さが変わらない。これまで,林業方面や森林植物,森林動物など,ほかの研究者の分野では,冬の樹木判別に,樹皮,樹形,枝ぶりが参考の基準とされてきた。しかし,これらの基準では,樹種を属の単位までしか判別できないケースが多い。しかも,同じ樹種についても,年齢,個体差,環境条件などによって,変化の範囲がいちじるしく多様となってしまい,豊かな経験,鋭い勘が必要となるから,初心者には判別が難しい。ところが,冬芽と一年生枝を基準にするならば,初心者であっても,多くのケースでは種の単位まで判別できる。屋外でも使用できるよう,ひと回りコンパクトにしたフィールド版も同時刊行。
目次
1 総論(用語解説)
2 各論(ヤナギ科;ヤマモモ科;クルミ科;カバノキ科;ブナ科;ニレ科;クワ科;フサザクラ科;カツラ科;メギ科 ほか)
3 冬芽からみた落葉樹林の歴史
著者等紹介
斎藤新一郎[サイトウシンイチロウ]
1966年北海道大学農学部林学科卒業。1970年北海道大学大学院農学研究科林学専攻博士課程中退。北海道立林業試験場勤務。1995年専修大学北海道短期大学勤務。2003年環境林づくり研究所設立。専門は林学、森林生態、環境緑化工学。農学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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