出版社内容情報
【解説】
一般の人が栽培漁業の全体像を把握するための案内書として,また水産関係団体の方々の実務書として,水産学,生態学,環境保全,社会調査,データサイエンスに関連する大学学部・大学院の教科書・参考書として使用することができる。
【目次】
栽培漁業への期待と課題・種苗放流の歴史と現状・大量放流の教訓・栽培漁業の可能性と問題点他
内容説明
本書は、大きく3つの目的をもって書かれた。1つ目は、栽培漁業への社会的関心を高め、理解を深めることである。2つ目は、種苗放流によって、減少した資源の回復と漁業生産の増加が可能かどうかを評価することである。栽培漁業のシステムは、種苗生産から放流、漁獲までにわたるが、本書の焦点は放流効果に当てられている。3つ目は、その評価を行うにあたって用いた統計手法の数々を整理することである。そのため、分析ではすべて実際のデータを用いているが、事例紹介的な扱いは避け、一般的な結果を抽出することを念頭においた。種苗放流の影響の評価方法にも重点をおき、これまで研究した統計的評価手法を駆使して、具体的な分析例とともに紹介した。
目次
第1章 栽培漁業への期待と課題
第2章 種苗放流の歴史と現状
第3章 大量放流の教訓
第4章 栽培漁業の可能性と問題点
第5章 栽培漁業と資源管理
第6章 栽培漁業に対する住民意識
第7章 標識放流による生残過程の推測:漁業によるサンプリング
第8章 標識放流による生残過程の推測:調査によるサンプリング
第9章 放流効果の評価
第10章 遊漁の評価
第11章 遺伝標識と混合率推定
第12章 集団間の遺伝的距離の評価
第13章 有効集団サイズの評価
第14章 集団の形態分析:継代飼育の影響
著者等紹介
北田修一[キタダシュウイチ]
1950年大阪に生まれる。北海道大学水産学部卒業後、瀬戸内海栽培漁業協会、日本栽培漁業協会調査課長をへて、1994年6月より東京水産大学資源育成学科助教授。1991年農学博士(東京大学)。専門領域は、水産増殖学、生物資源学、統計学、生物資源の持続的利用と保全を考えることに興味がある
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