出版社内容情報
【解説】
人間の体温は生まれてから死ぬまで37度付近に保たれている。このすばらしい体温調節のシステムについて,第一線の研究者が最新の知見で解説。
【目次】
体温調節の意味・温度の受容機構・体温調節反応・神経機構Ⅰ・Ⅱ他
内容説明
われわれの体温は生まれてから死ぬまで三七℃付近に保たれ、そこから数℃以上ずれることはほとんどない。ヒトの体は水(H2O)が大きな割合を占めているが、もし体重七〇kgと同じ量(七〇リットル)の水の温度を三七℃に維持しなければならないとしたらどうであろうか。サーモスタットとヒーターを買ってくれば簡単だと考えられるかもしれない。しかしそれで六十年、七十年にもわたって故障なく働くことが期待できるだろうか?われわれの体はこの仕事をほとんど問題なく成し遂げているのである。このすばらしいシステムについて述べるのが本書の主題であり、そのなかでもとくに脳機構に関係したことを中心に解説する。
目次
体温調節の意味―体温はなぜ三七℃か?
温度の受容機構―脳は温度計を持っている
体温調節反応―効果器はほとんど借り物
神経機構(温度求心路と体温調節「中枢」;遠心路)
発熱と解熱―脳は解熱物質を作る
体温調節の原理
いろいろな体温変動―いつもいつも三七℃ではない
座談会 体温調節のメカニズム
著者等紹介
中島敏博[ナカシマトシヒロ]
1977年九州大学大学院理学研究科修了。専攻は神経生理学。現在、京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科助教授、理学博士。著書に『Thermal Physiology』分担(The Augast Krogh Institute,Copenhagen,1997年)、『神経科学研究の先端技術プロトコルIII.分子神経細胞生理学』(塩坂貞夫・木山博資編)分担(厚生社、1993年)
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