出版社内容情報
【解説】
地球上の生命にとって最も大事な物質である水の全体像を最新の研究にもとづいて概説し,生物の体内での水の働き,生命と水とのかかわりを平述。
【目次】
水,この個性的な液体・「溶ける」をミクロに見る・生命と水
内容説明
今、この瞬間に地球上に無数の生命が生まれている。生命の基本単位である細胞は、肉眼では見えないくらい小さい。その中で水分子は一時も休まず動き回り生命を支えている。それらの水分子はどんな働きをしているのだろうか。本書は、ダイナミックスという観点から水と生命の関係を探る。
目次
1章 水―この個性的な液体(水とつき合うために―混沌の世界からのメッセージ;水のサイクル―地球とヒト;水分子の三つの顔;水は蒸発しにくい ほか)
2章 ‘溶ける’をミクロにみる(溶質の分類;イオンの周りの水分子の運動;糖の周りの水の状態;アルコール水溶液 ほか)
3章 生命と水(生物にはどれだけの水がいるのか?;タンパク質の周りの凍らない水;タンパク質の周りの水の働き;細胞内の水 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たかD
2
研究の関係で読んだ.水の生物物理をコンパクトにまとめた本.小冊子ながら簡潔に記述されていて,内容が濃い.そのため物理化学の知識が多少,必要かもしれない.はじめに水自体の性質について概観し,次にさまざまな溶質を溶かしたときの水和のようすをミクロに説明する.最後に,細胞内での水の構造化について触れられている.イオンのサイズによって正の水和・負の水和があること,糖が水の構造化をうながすことが,特に面白かった.特にミクロの現象に重きがおかれているので,水の液体論をはじめようと思っている人にはおすすめ.2014/06/11