出版社内容情報
アルケンは生理活性物質や機能性材料にみられる基本的構造単位で,幾何異性体により機能や性質は大きく変わる。異性体の分離も困難な場合が多いため,立体選択的な合成法が必要になる。
第1章においてアルケンに関する基礎知識,第2章において脱離反応およびアルキンへの付加反応によるアルケン合成について解説している。脱離反応は二重結合の位置や立体の制御が困難な場合もあり,アルキンからの反応ではアルキンを合成する必要がある。実際に最近の合成研究でよく用いられるアルケンの立体選択的合成法は,カルボニル化合物のオレフィン化反応,クロスカップリング反応,オレフィンメタセシス反応の3つが一般的である。
第3章ではパラジウム触媒を用いるクロスカップリング反応による合成について概説した。この反応は非常に高い立体特異性でアルケンを与える。
第4章ではカルボニル化合物のオレフィン化反応について紹介した。第4章には最も多くのページを割き,Wittig反応,HWE反応,Peterson反応,Juliaオレフィン化反応,高井オレフィン化反応について,その進歩の過程も紹介した。
現在,適する方法を選べばほとんどの二置換アルケンの立体選択的合成は可能となっている。どの方法が適しているのかわからない時,その他アルケン合成で困った時,本書がお役に立てるのではないかと思っている。
第1章 アルケンについての基礎知識
第2章 アルケンの基本的な合成法
2.1 β脱離反応による方法
2.2 アルキンからのアルケン合成
第3章 クロスカップリング反応を用いるアルケンの立体選択的合成
3.1 溝呂木-Heck反応
3.2 有機金属反応剤とのカップリング反応
第4章 カルボニル化合物からアルケンの立体選択的合成
4.1 Wittig反応
4.2 Horner-Wadsworth-Emmons(HWE) 反応
4.3 Peterson反応
4.4 Juliaオレフィン化反応
4.5 高井オレフィン化反応
日本化学会[ニホンカガッカイ]
編集
安藤 香織[アンドウ カオリ]
著・文・その他
目次
第1章 アルケンについての基礎知識
第2章 アルケンの基本的な合成法(β脱離反応による合成方法;アルキンからアルケン合成)
第3章 クロスカップリング反応を用いるアルケンの立体選択的合成(溝呂木‐Heck反応;有機金属反応剤とのカップリング反応)
第4章 カルボニル化合物からアルケンの立体選択的合成(Wittig反応;Horner‐Wadsworth‐Emmons(HWE)反応 ほか)
著者等紹介
安藤香織[アンドウカオリ]
1986年東京大学薬学系大学院博士課程修了。現在、岐阜大学工学部教授。博士(薬学)。専門、有機合成化学、計算有機化学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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