化学の要点シリーズ
固体表面の濡れ性―超親水性から超撥水性まで

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  • サイズ B6判/ページ数 129p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784320044173
  • NDC分類 428.4
  • Cコード C3343

出版社内容情報

これまで水滴が固体の表面でどれくらい丸くなるか,といった,時間の概念を伴わない静的な濡れの現象は,主にコロイド界面科学分野で,また,液体がどれくらい速く移動するかといった,動力学的な挙動は,主に流体力学分野でそれぞれ取り扱われてきた。このため,これらを橋渡しして「固体表面での静的・動的濡れ性を制御する」ためのサイエンスを解説した教科書は,従来はほとんど存在しなかった。
 しかしながら,この学術内容は様々な工学分野で近年重要性を増しており,研究も急速に盛んになっている。とりわけ,「超親水性」と「超撥水性」は基礎研究においても応用においても,この分野で最も重要なトピックスになっている。筆者はこの状況に鑑み,固体表面化学の視点から,主に材料科学,応用化学の学部2,3年生を想定し,固体表面の濡れ制御に関する基礎的な内容を本書に取り纏めた。

第1章 新しい“濡れ”の科学
1.1 身の回りにある“濡れ”とその利用
1.2 科学としての“濡れ”

第2章 静的濡れ性
2.1 固体表面の特徴と表面エネルギー
2.2 表面エネルギーとYoungの式
2.3 表面エネルギーの熱力学
2.4 濡れによる仕事
2.5 表面エネルギーの見積もり
2.6 ラプラス圧力と毛管長
2.7 線張力

第3章 静的濡れ性の限界と動的濡れ性
3.1 前進・後退接触角と転落角
3.2 動的濡れ性

第4章 静的・動的濡れ性に及ぼす固体表面の因子
4.1 表面組成
4.2 表面エネルギーの分布
4.3 表面構造

第5章 超親水性
5.1 超親水性を得るための方法
5.2 酸化チタン光触媒

第6章 超撥水性
6.1 超撥水性を得るのに必要な条件
6.2 超撥水表面から得られる機能
6.3 超撥水表面の耐久性向上の試み

第7章 液滴の制御
7.1 固体表面の構造や組成による制御
7.2 外場による制御

目次

第1章 新しい“濡れ”の科学
第2章 静的濡れ性
第3章 静的濡れ性の限界と動的濡れ性
第4章 静的・動的濡れ性に及ぼす固体表面の因子
第5章 超親水性
第6章 超撥水性
第7章 液滴の制御

著者等紹介

中島章[ナカジマアキラ]
1997年ペンシルバニア州立大学大学院材料科学専攻博士課程修了。現在、東京工業大学大学院理工学研究科材料工学専攻、教授、Ph.D.専門、表面機能材料・セラミックス材料科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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