出版社内容情報
一般的な原理から出発し、その帰結を演繹的に導く形で提示することを目指した「現代の量子力学」への本格的教科書(第I巻)
本書は、現時点で「完成した」とみなされている量子力学の内容を、量子現象の個々の具体的事例から帰納的に積み上げていくのではなく、少数の妥当と思われる、できる限り一般的な原理(要請あるいは公理)から出発して、その帰結を演繹的に導く形で提示することを目指した現代の量子力学への教科書である。本書で具体的に取り扱う物理系は、量子論の本質・特徴を捉えるのに適した、なるべく単純で厳密に解けるものを可能な限り取り上げた。
第1章から第5章では、量子力学の物理的原理(要請)と、それを表現する数学的基礎を扱う。第5章では時間発展を扱う。次の第6章では、量子力学における対称性と保存則を扱う。第7~9章では、1次元空間での量子力学を具体的な物理系に対して詳しく論じる。ここでは,Schr?dinger方程式の解法も詳述する。
(II巻へつづく)
目次
序章 量子力学の簡単な歴史
第1章 物理的枠組と数学的基礎(1)ヒルベルト空間と純粋状態
第2章 物理的枠組と数学的基礎(2)オペレータ(演算子、作用素)
第3章 物理的枠組と数学的基礎(3)固有値、固有ベクトル、スペクトル分解
第4章 物理的枠組と数学的基礎(4)表示、確率解釈、不確定性原理
第5章 物理的枠組と数学的基礎(5)ユニタリ時間発展(推進)
第6章 量子力学における対称性と保存則
第7章 1次元空間の量子力学(1)一般的性質と束縛状態
第8章 1次元空間の量子力学(2)反射、透過、トンネル効果
第9章 量子調和振動子
著者等紹介
近藤慶一[コンドウケイイチ]
1986年名古屋大学大学院理学研究科博士課程修了、理学博士。現在、千葉大学大学院理学研究院物理学研究部門教授。専門:理論物理学(素粒子論、場の理論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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