出版社内容情報
量子力学は、現代物理学の根幹を成す重要な学問である。しかし、量子力学が見せる「世界の真実の姿」は、我々の常識とはかけ離れているため、その姿を直感的に理解することができない。「数学に裏打ちされた論理」のみが、量子力学の示す「世界の真実の姿」に辿り着く唯一の方法である。
本書では、「数学に裏打ちされた論理」を、初学者にも追えるように、できる限り丁寧に示すことを主眼とした。他書では省略されたり、付録になっていたりするような論理も、それ自体が重要であることを強調するために、全て本文中に示している。本書に示された論理を読者自身が読み解き、自身の手で例題・問題を解きながら、本書の内容を学ぶことで、初学者にも量子力学の基本的な知識を身につけることができる。
目次
量子力学がなぜ必要か―前期量子論から量子力学へ
Schr¨odinger方程式と波動関数
簡単なポテンシャル中の運動
量子力学の要請
物理量の期待値と不確定性関係
1次元調和振動子
中心力が働く粒子の運動
水素様原子中の電子
行列力学
一般化された角運動量とスピン
Schr¨odinger猫像とHeisenberg猫像
近似法
著者等紹介
武藤哲也[ムトウテツヤ]
1997年筑波大学大学院博士課程物理学研究科物理学専攻修了。現在、島根大学大学院自然科学研究科准教授・博士(理学)。専門、物性理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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