出版社内容情報
社会は多数の個人の集団であり、各個人の振る舞いが、都市の構造、集団行動、格差社会、合意形成や噂の伝播などの社会現象を引き起こす。社会物理学は、集団における個々の要素の行動をモデル化し、物理学的視点から社会現象の示す普遍的性質を明らかにする学問領域であり、20世紀末から急速に発展している。
本書は、この最新の学問領域「社会物理学」で用いられる理論と手法およびこれまでの成果を系統的にまとめた成書である。各章で取り上げる話題は都市の形成からSNSまで多岐にわたる。これら社会現象の問題点の整理を行った後、現在までに明らかにされている知見を紹介し、最後に今後の課題を説明して、これまでの研究から将来の研究の方向性を見通せるように構成されており、この分野を専攻しようと思う初学者には必読の教科書である。
目次
第1章 はじめに:社会位相空間を基礎として
第2章 社会の不均一空間構造
第3章 群集の転移的振る舞いと時空間構造
第4章 格差社会の自己組織化
第5章 社会における合意の形成
第6章 社会における伝播現象
第7章 確率モデルによる社会の構造の分析
付録
著者等紹介
小田垣孝[オダガキタカシ]
1973年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。現在、九州大学名誉教授、科学教育総合研究所代表、理学博士
佐野幸恵[サノユキエ]
2010年東京工業大学大学院総合理工学研究科博士後期課程中退。現在、筑波大学システム情報系社会工学域・准教授、博士(理学)
山崎義弘[ヤマザキヨシヒロ]
1999年京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了。現在、早稲田大学先進理工学部物理学科・教授、博士(理学)
山本健[ヤマモトケン]
2011年早稲田大学大学院先進理工学研究科博士後期課程修了。現在、琉球大学理学部物質地球科学科物理系・准教授、博士(理学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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PapaShinya
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- 和書
- へんしーん