出版社内容情報
本書は,電子状態を直接観測できる強力な実験手法である「角度分解光電子分光:ARPES」の基礎的なことと,高温超伝導体,グラフェン,トポロジカル絶縁体といった高機能物質の電子状態や物性の解明にARPESがどのよう役立っているかを,最近の研究も含めてわかりやすく解説したものである。難しい数式などは極力用いず,理系の学生が簡単に読みきることができるレベルの解説を目指した。本書がきっかけになって,より多くの人がARPESに興味を持ってもらえれば幸いである。
第1章 はじめに
第2章 角度分解光電子分光(ARPES)
2.1 ARPESの原理
2.1.1 外部光電効果
2.1.2 光電子分光
2.1.3 角度積分光電子分光
2.1.4 角度分解光電子分光(ARPES)
2.1.5 スピン分解光電子分光
2.2 ARPESの実験装置
2.2.1 装置全体の概要
2.2.2 光源
2.2.3 電子エネルギー分析器
2.2.4 スピン検出器
第3章 高温超伝導体
3.1 高温超伝導体の発見
3.2 高温超伝導体の電子構造
3.3 高温超伝導発現機構
3.3.1 超伝導ギャップ
3.3.2 擬ギャップ
第4章 鉄系高温超伝導体
4.1 鉄を含む超伝導体の発見
4.2 鉄系高温超伝導体の電子構造
4.2.1 フェルミ面のトポロジー
4.2.2 反強磁性秩序状態
4.2.3 超伝導ギャップ
4.3 原子層高温超伝導体
第5章 グラフェン
5.1 グラフェンとは
5.2 グラフェンの作成法
5.3 グラフェンの電子状態
5.4 超伝導グラフェン
5.5 ポストグラフェン
5.5.1 シリセン
5.5.2 遷移金属ダイカルコゲナイド
第6章 トポロジカル絶縁体
6.1 トポロジカル絶縁体とは
6.2 スピンテクスチャ
6.3 トポロジカル量子相転移
6.4 ディラックコーン制御
6.4.1 ディラック電子の質量制御
6.4.2 ディラックキャリア制御
6.4.3 ディラックコーンの混成制御
6.4.4 ディラックコーンの実空間制御
6.5 様々なトポロジカル物質
6.5.1 トポロジカル結晶絶縁体
6.5.2 トポロジカル半金属の種類
6.5.3 ディラック半金属
6.5.4 ワイル半金属
6.5.5 線ノード半金属
須藤 彰三[ストウ ショウゾウ]
岡 真[オカ マコト]
高橋 隆[タカハシ タカシ]
佐藤 宇史[サトウ タカフミ]
目次
第1章 はじめに
第2章 角度分解光電子分光(ARPES)
第3章 高温超伝導体
第4章 鉄系高温超伝導体
第5章 グラフェン
第6章 トポロジカル絶縁体
著者等紹介
高橋隆[タカハシタカシ]
1974年3月東京大学理学部物理学科卒業。1981年3月東京大学大学院理学系研究科相関理化学専攻博士課程中退。4月東北大学理学部物理学科助手。1982年4月理学博士(東京大学)。1994年6月東北大学理学部物理学科助教授。2001年12月東北大学大学院理学研究科物理学専攻教授。2007年10月東北大学原子分子材料科学高等研究機構教授。専門は物性物理学
佐藤宇史[サトウタカフミ]
1997年3月東北大学理学部物理学科卒業。1999年4月日本学術振興会特別研究員(DC1)。2002年3月東北大学大学院理学研究科博士後期課程修了。4月日本学術振興会特別研究員(PD)。12月東北大学大学院理学研究科助手。2007年4月同助教。2010年4月同准教授。2017年4月同教授。専門は物性物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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