出版社内容情報
スピントロニクスは人気のある分野であるが,いままで学部学生をも対象とした入門書は少なかった。
本書は学部3年程度で習う基礎物理のみを仮定したスピントロニクスの入門書である。
また,スピントロニクス分野は,実験物理と理論物理の密接な相互作用が研究を大きく推進させてきた。
本書の特徴は,実験研究者と理論研究者の共著により,最新の実験成果から美しい理論体系に至るまで網羅している点である。
第1章 はじめに
第2章 スピン流
2.1 電子スピン
2.2 伝導電子のスピン流
2.3 角運動量保存則とスピン流
2.4 金属の強磁性
2.5 磁化ダイナミクスと緩和
2.6 交換スピン流
第3章 スピン流の物性現象
3.1 強磁性体/金属接合での電流・スピン流注入
3.2 スピン移行トルク
3.3 スピン流注入磁化反転と磁気メモリ
3.4 トンネル磁気抵抗効果
3.5 磁壁のスピン流駆動
3.6 スピン波ドップラー効果
3.7 スピンポンピング
3.8 スピンゼーベック効果
3.9 不均一磁気構造とスピン依存ゲージ場
第4章 スピンホール効果と逆スピンホール効果
4.1 スピン流の電磁効果
4.2 スピンホール効果
4.3 逆スピンホール効果
4.4 非平衡磁場誘起
第5章 ゲージ場とベリー曲率
5.1 電磁場,ゲージ変換,モノポール
5.2 ベリー位相,ベリー曲率
第6章 内因性スピンホール効果
6.1 整数量子ホール効果と異常ホール効果
6.2 ホール伝導率とベリー曲率
6.3 チャーン数とバルクエッジ対応
6.4 ランダウアー‐ビュティカー公式
6.5 半古典的運動方程式
6.6 磁場中の2次元電子系?(狭義の)整数量子ホール効果?
6.7 異常ホール効果
6.8 スピンホール効果
第7章 トポロジカル絶縁体
7.1 時間反転対称性
7.2 2次元トポロジカル絶縁体
7.3 3次元トポロジカル絶縁体
7.4 表面状態の特異な性質
7.5 トポロジカル絶縁体に関する実験
7.6 3次元トポロジカル絶縁体とマヨラナフェルミオン
付録A スピン回路理論とスピンミキシングコンダクタンス
A.1 散乱理論
A.2 スピン流回路理論
目次
第1章 はじめに
第2章 スピン流
第3章 スピン流の物性現象
第4章 スピンホール効果と逆スピンホール効果
第5章 ゲージ場とベリー曲率
第6章 内因性スピンホール効果
第7章 トポロジカル絶縁体
付録A スピン回路理論とスピンミキシングコンダクタンス
付録B 参考図書
付録C 参考文献
著者等紹介
齊藤英治[サイトウエイジ]
1996年東京大学工学部物理工学科卒業。2001年東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程修了。博士(工学)。慶應義塾大学理工学部物理学科助手。2006年慶應義塾大学理工学部物理情報工学科専任講師。2009年東北大学金属材料研究所教授(現職)。2012年東北大学原子分子材料科学高等研究機構(WPI)教授(現職)、兼東北大学金属材料研究所教授。専門、固体物理学
村上修一[ムラカミシュウイチ]
1996年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程中退。東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻助手(~2007年)。1999年博士(理学)(東京大学)。2000年スタンフォード大学客員研究員(兼任)(~2001年)。2007年東京工業大学大学院理工学研究科物性物理学専攻准教授。日本学術振興機構さきがけ研究員(兼任)(~2011年)。2012年東京工業大学大学院理工学研究科物性物理学専攻教授。専門、物性理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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