出版社内容情報
●内容
本書は,「人工知能分野の巨人のひとり」(Richard Korf)として数えられ,統計的因果推論の世界的権威である人工知能研究者Judea Pearlによって書かれた"Causality-Models, Reasoning and Inference-"(Cambridge Univ. Press)の邦訳である。
本書は,既存の統計的因果推論の教科書とは異なり,因果推論の背後にある哲学的考え方を踏まえながら,グラフィカルモデル,反事実モデル,構造モデルといった数理解析法を用いて因果関係の解明に迫るという独創的なアイデアに基づいて執筆されている。また,統計科学と因果推論との類似点や相違点も詳しく記述されており,因果的関連尺度と統計的関連尺度を結びつけるための数理的基盤の整備も行われている。
本書の特徴として,邦訳出版にあたって原著者から提供された最新の研究情報も追加されており,統計的因果推論に関する最新のフレームワークを体系的に理解するのに役立つよう配慮されていることがあげられる。そのため,統計的因果推論の主要課題である 1.観察された結果に対する原因の究明,2.観察データに基づく因果的効果の定量的評価,3.観察データに基づく因果メカニズムの解明,に関心を持つ読者に対して,大きなインパクトを与えるだろう。
目次
第1章 確率、グラフ、因果モデル入門
第2章 因果関係を推測するための理論
第3章 因果ダイアグラムと因果効果の識別可能条件
第4章 行動、計画、直接効果
第5章 社会科学と経済学における因果関係と構造モデル
第6章 Simpsonのパラドックス、交絡、併合可能性
第7章 構造に基づく反事実の論理
第8章 不完全実験:因果効果の存在範囲と反事実
第9章 原因の確率:説明と識別
第10章 実際の原因
エピローグ 因果関係の芸術と科学
著者等紹介
Pearl,Judea[PEARL,JUDEA][Pearl,Judea]
UCLAコンピュータサイエンス学科の教授であり、「人工知能分野の巨人のひとり」(Richard Korf,UCLA教授)として数えられている研究者である。この表現が誇張されたものではないことは、Benjamin Franklin MedalやLakatos Awardをはじめとして、国際的な学術賞を数多く受賞していることから容易にわかるであろう。ベイジアン・ネットワークを開発し、人工知能の分野に確率論的アプローチを導入したパイオニアの一人であり、グラフィカル・モデルと因果推論を体系的に結びつけることによって、因果関係の数理的取り扱いを可能にした代表的な研究者でもある。その研究成果は、人工知能という枠をはるかに超えて、工学・医学・哲学・経済学・政治学にまで影響を与えており、科学技術の発展に大きく貢献している
黒木学[クロキマナブ]
2001年東京工業大学大学院社会理工学研究科経営工学専攻博士後期課程修了。同年、東京工業大学大学院社会理工学研究科経営工学専攻・助手。2003年大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻・助教授。2007年より現職。この間、UCLAコンピュータサイエンス学科および北京大学数学科学学院において在外研究。現在、大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻・准教授(工学博士)。専攻は統計科学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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