哲学の道具箱

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  • サイズ A5判/ページ数 222,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784320005730
  • NDC分類 100
  • Cコード C3040

出版社内容情報

●内容
『哲学の道具箱』は、すぐれた論証を構成するには何が大切かという問題意識から編まれた、カジュアルなスタイルの哲学用語集。誰もがなんとなく使っている「偶然と必然」、「客観的と主観的」から、専門家以外には見落とされがちな「現象を救う」や「タイプとトークン」など、ユニークで斬新な項目からなる。
古来、哲学者たちのもっとも得意とすることは、さまざまな概念を駆使して議論をすることであった。本書はそうした哲学者たちが使う代表的な道具たちについてのわかりやすい解説書である。本書の著者は、哲学教育や哲学を一般のひとたちにも親しみやすいものにすることをとても強く意識した仕事を積み重ねてきている専門家である。高校生や大学生、一般の読者の方々も、本書を手に取れば、哲学の概念やおもしろい議論のしかけに親しむことができるであろう。〔日本図書館協会選定図書〕

●詳細目次
第1章 論証の基本ツール
1.1 論証・前提・結論
1.2 演繹
1.3 帰納
1.4 妥当性と健全性
1.5 非妥当性
1.6 無矛盾性
1.7 錯誤
1.8 反駁
1.9 公理
1.1 0定義
1.11 確実性と蓋然性
1.12 トートロジー・自己矛盾・矛盾律

第2章 その他の論証ツール
2.1 アブダクション
2.2 仮説演繹法
2.3 弁証法
2.4 アナロジー
2.5 法則を裏づける変則事象と例外
2.6 直観ポンプ
2.7 論理的構成物
2.8 還元
2.9 思考実験
2.10 超越論的論証
2.11 ためになる虚構

第3章 論証評価のツール
3.1 別の説明
3.2 多義性
3.3 二値原理と排中律
3.4 カテゴリー錯誤
3.5 他の条件が同じならば
3.6 循環論法
3.7 筋の通らない概念
3.8 反例
3.9 規準
3.10 間違ったわけの説明
3.11 誤った二分法
3.12 発生論的誤謬
3.13 両刀論法と角
3.14 ヒュームのフォーク
3.15 「である」と「であるべし」のギャップ
3.16 ライプニッツの同一律
3.17 仮面の男の錯誤
3.18 オッカムの剃刀
3.19 パラドックス
3.20 共犯論法
3.21 善意解釈の原理
3.22 論点の先取り
3.23 背理法
3.24 冗長さ
3.25 背進
3.26 現象を救う
3.27 自己論駁的論証
3.28 充足理由
3.29 テスト可能性

第4章 概念的区別のツール
4.1 アプリオリとアポステリオリ
4.2 絶対的と相対的
4.3 分析的と総合的
4.4 定言的と様相的
4.5 条件文と双条件文
4.6 取り消し可能と取り消し不可能
4.7 伴立と含意
4.8 本質と偶有性
4.9 見知りによる知識と記述による知識
4.10 必然的と偶然的
4.11 必要と十分
4.12 客観的と主観的
4.13 実在論的と非実在論的
4.14 意義と指示対象
4.15 構文論と意味論
4.16 厚い概念と薄い概念
4.17 タイプとトークン

第5章 ラジカルな批判のためのツール
5.1 階級的視点からの批判
5.2 ディコンストラクションと現前批判
5.3 経験主義による形而上学批判
5.4 フェミニズムからの批判
5.5 フーコーの権力批判
5.6 ハイデガーの形而上学批判
5.7 ラカンの批判
5.8 ニーチェのキリスト教的・プラトン的文化批判
5.9 プラグマティズムの批判
5.10 サルトルの「自己欺瞞」批判

第6章 極限のツール
6.1 基礎的信念
6.2 ゲーデルと不完全性
6.3 神秘体験と啓示
6.4 可能性と不可能性
6.5 原始概念
6.6 自明の真理
6.7 懐疑論
6.8 決定不全性

内容説明

議論のスキルを身につける。カジュアルなスタイルの術語集。

目次

第1章 論証の基本ツール
第2章 その他の論証ツール
第3章 論証評価のツール
第4章 概念的区別のツール
第5章 ラジカルな批判のためのツール
第6章 極限のツール

著者等紹介

長滝祥司[ナガタキショウジ]
中京大学教授・博士(文学)

廣瀬覚[ヒロセサトル]
尚絅学院大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

masabi

14
【概要】哲学者の論証のツールを解説する。【感想】哲学者の生涯や人物関係を省き、哲学で扱う思考法をまとめたもの。哲学書を読む際の用語集として、議論に加わる際の論点整理や自説の主張、反論など議論を実りあるものにする論証集として、利用できる。 2020/04/30

風太郎

8
非常に優れた本だと思います。哲学の要点、思考の方法が書かれてあります。そしてその考え方は、決して難解に過ぎるというものではなく、日頃私たちが何気なくしている思考法を言語化したものだと思われます。ですから何か難しい問題に突き当たった時、この本に載っている方法を使ってみることで、解決に近づくこともあるかもしれません。自分としても繰り返し読みたい本ですね。2017/10/19

あんり

3
とても勉強になった!新規に学ぶことばの理解に役立ったのはもちろんのこと,既知のことばの復習としても最高だった.どんな哲学の本よりも先に読みたかった.今後もときどきこの本に立ち返って繰り返し開くことになりそう.2017/01/18

poku

3
これは借りる本ではなかった。買うべき本だな。2014/06/26

ごっし

2
非常に良い本です。哲学ビギナーというより、何冊か哲学の本に触れた(読み切ってなくてもいい)人に特に勧めたい。辞書的にも使えるし、読み物としても最高。(追記)この本を知ったのは某お猿さんのブログなのですが、何度読んでもどこを読んでもわかりやすいですね。様々な視点から書いているので自身の哲学を述べるという形になってしまわないのが非常に素晴らしいです。あくまで客観的に、というスタイルです。2017/04/17

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