内容説明
情報社会の効率主義が生む精神の空白。その果て、虚無のなかから“文学の力”が蘇る。“主観‐客観”論争に終止符を打つ第三項網膜論。
目次
“原文”という第三項―プレ“本文”を求めて(主観と客観;主体に対応するもの ほか)
読みのアナーキーをどう超えるか―“原文”とは何か(国語教育と文学教育の双方が抱えている問題;主観的な読みをどう超えるか ほか)
文学教育批判の根拠―「作品」はどこにあるか(なぜ、文学教育論を批判しなければならないのか;文学はどこにあるのか ほか)
文学研究と文学教育の架橋を目ざして(田中さんの提起をどのように受け止めるか;近代の思想史との交差 ほか)
著者等紹介
田中実[タナカミノル]
1946年福岡県柳川に生まれる。立教大学大学院博士課程満期退学。都留文科大学教授。森鴎外を中心にした近代文学の研究を専攻。近年は“他者”、天皇制、村上春樹、児童文学、国語教育に関する論文多数
須貝千里[スガイセンリ]
1950年東京都板橋区に生まれる。法政大学文学部日本文学科卒業。山梨大学教授。主に国語教育史、文学教育論を研究対象とし、多数の論文がある。近年は文学作品の教材価値の研究に関心を持ち、文学研究と国語教育研究の交差という視点から宮沢賢治の作品の研究に挑む
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感想・レビュー
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たっきー
1
国語教育の田中実の論文を起点に据え、座談会が記録されている。田中は文学の未来のために読む行為を研究していると言う。それも必要だろう。だが、現場はそうはいかない。目の前に生徒がいるのだ。今この生徒のために文学の意義を伝えなくてはいけない。文学とは、自分の立ち位置を明確にし、未来を見通す力を与えるものだと。2014/10/10
澪標
0
良書2013/12/02
aabbkon
0
<原文>概念難しい2013/01/17
U-Tchallenge
0
二回目ではあるが、やはり難しかった。この本を読み終えるのに数か月かかった。行きつ戻りつしながら読み進めた。それでも難しかった。座談会は自分なりになるほど、と思える箇所を見つけることができた。問題は巻頭論文…。うーん、ずいぶんとわかった気にはなっているが、きちんと理解できていないのは間違いない。まだまだ宿題というか、考えないといけないことがたくさんありそうだ。2022/02/01
U-Tchallenge
0
はっきり言って難しいです。何回も読み直したり、意味がよくわからず読むのが止まったこともありました。でも、所々に自分なりに納得する箇所がありました。それはこの一回では完全に理解できていない。だから、再度読む必要がありそうだ。とは言いながらも、ちょっと間は開けよう、と思う(苦笑)。文学の授業について真剣に考えよう、と思っているなら、目を通してみることに意義があると思います。そうじゃないならおすすめはしません(笑)。2020/06/18
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