内容説明
いま、文学の“ことば”は子供たちに届くのか?“他者”との出会い、“私”との出会いを求めて新たな研究分野を切り拓く、文学の力×教材の力。
目次
故郷―魯迅
一塁手の生還―赤瀬川隼
握手―井上ひさし
高瀬舟―森鴎外
素顔同盟―すやまたかし
黒い雨―井伏鱒二
著者等紹介
田中実[タナカミノル]
1946年福岡県柳川に生まれる。立教大学大学院博士課程満期退学。都留文科大学教授。森鴎外を中心にした近代文学の研究を専攻。近年は“他者”、天皇制、村上春樹、児童文学、国語教育に関する論文多数
須貝千里[スガイセンリ]
1950年東京都板橋区に生まれる。法政大学文学部日本文学科卒業。山梨大学教授。主に国語教育史、文学教育論を研究対象とし、多数の論文がある。近年は文学作品の教材価値の研究に関心を持ち、文学研究と国語教育研究の交差という視点から宮沢賢治の作品の研究に挑む
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感想・レビュー
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ぴー
3
本書は、一作品に文学研究の[作品論]と国語教育研究者の[教材論]を対置させ、それだけではなく異分野だからこそ発見できた問題を互いに指摘し合った[所感交換]も掲載されているところに大きな意味がある。2017/02/21
にくきゅー
0
握手の教材研究のために読んだ。最後の一文の解釈が面白い。私の指言葉が誰に向けてだったのかを考えることは、以前、授業でも取り扱ったことがあった。しかし、なるほど、葬式という場面から場所が教会であるという推測が成り立つか。そして、教会なら神の象徴たる十字架やキリスト像がある。まったく見えてなかった。2020/08/10