出版社内容情報
「背徳」や「やってはいけないこと」の境界線は絶対的なものではなく、時代や社会によって任意に引かれている非常にあいまいなものです。これまでルールを破る行為は、個人の性格や資質の問題として片づけられがちでした。しかし、特別な悪人だけでなくごく普通に暮らす善良な人であっても、ふとした瞬間に魔が差したように一線を越えてしまうのが人間のリアルな姿です。
本書は、こうした「背徳」や「逸脱」を常識という物差しで安易に裁くことはしません。その代わりに、人間が何を基準に悪を判断し、悪いことだと知りながらなぜその境界線を越えてしまうのかという心のメカニズムを解き明かします。背徳的な行動がどのような心理的・環境的要因によって引き起こされるのか、科学的なアプローチから理解することが本書の最大の目的です。
【目次】
第1章 衝動と抑制の神経科学--なぜ「ブレーキ」が効かないのか
1 脳内のアクセルとブレーキ--前頭葉と辺縁系のダイナミクス
2 欲望のアクセル--ドーパミンと報酬系のしくみ
3 共感がうまく働かないとき--サイコパス研究と「心の痛み」
4 ホルモンと心の揺れ--気分・攻撃性・衝動をめぐって
5 脳科学が突きつける問い--「自由意志」と「責任能力」
第2章 「わかっちゃいるけど」の科学--日常の逸脱行動と習慣の力
1 「未来の自分」は他人である--現在バイアスと時間割引
2 意志力は使うと減るのか--決定疲れと「同じ服」の戦略
3 習慣のループ--私たちは考えて動いているわけではない
4 小さな逸脱の連鎖--なぜ「これくらい」が崩壊を招くのか
5 意志ではなく環境を変える--ナッジという発想
第3章 認知のゆがみと正当化--?理学が解き明かす動機と防衛メカニズム
1 背徳心の正体--自律性を求める本能「心理的リアクタンス」
2 理性の正体--欲望のアクセルとしての側面
3 善良さという名の免罪符--自己イメージと背徳の心理学
4 視線・匿名性・環境がつくる「道徳」の構造
内容説明
「背徳」や「やってはいけないこと」の境界線は普遍的ではなく、時代や文化によって変化するあいまいなものです。ルールを破る行為は個人の性格の問題ではなく、善良な人でもふとした瞬間に一線を越えてしまうのが人間のリアルな姿です。本書では、人間が何を基準に悪を判断し、なぜ一線を越えてしまうのかという仕組みを常識で裁くのではなく、脳科学と心理学の視点から解き明かしていきます。
目次
第1章 衝動と抑制の神経科学―なぜ「ブレーキ」が効かないのか(脳内のアクセルとブレーキ―前頭葉と辺縁系のダイナミクス;欲望のアクセル―ドーパミンと報酬系の仕組み;共感がうまく働かないとき―サイコパス研究と「心の痛み」;ホルモンと心の揺れ―気分・攻撃性・衝動をめぐって;脳科学が突きつける問い―「自由意志」と「責任能力」)
第2章 「わかっちゃいるけど」の科学―日常の逸脱行動と習慣の力(「未来の自分」は他人である―現在バイアスと時間割引;意志力は使うと減るのか―決定疲れと「同じ服」の戦略;習慣のループ―私たちは考えて動いているわけではない;小さな逸脱の連鎖―なぜ「これくらい」が崩壊を招くのか;意志ではなく環境を変える―ナッジという発想)
第3章 認知のゆがみと正当化―心理学が解き明かす動機と防衛メカニズム(背徳心の正体―自律性を求める本能「心理的リアクタンス」;理性の正体―欲望のアクセルとしての側面;善良さという名の免罪符―自己イメージと背徳の心理学;視線・匿名性・環境がつくる「道徳」の構造)
著者等紹介
鶴身孝介[ツルミコウスケ]
京都大学大学院医学研究科附属ヘルスセキュリティセンター特定准教授。博士(医学)。京都大学医学部医学科卒業。精神科臨床経験を積んだ後に2015年、京都大学大学院医学研究科にて博士課程修了。その後、同助教、病院講師、英国ケンブリッジ大学客員研究員(兼任)などを経て2026年4月より現職。専門は依存症臨床、中枢神経画像学。現在のメイン研究テーマは、ギャンブル行動症の脳画像研究
綿村英一郎[ワタムラエイイチロウ]
大阪大学教授。東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻了。2012年、博士(心理学)。東京大学助教、大阪大学准教授を経て2025年4月より現職。専門は法や制度に関する社会心理学。AI裁判、児童虐待、量刑判断、少年法、終末期の意思決定などのテーマについて、実験や調査を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



