出版社内容情報
なぜ科学に倫理が必要なのか? 科学の力で優秀な子供を作ったり、死者をデジタル化していいのか? 内戦や紛争にAIによる兵器を投入してい いのか?等,科学の倫理の最前線に迫ります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
31
科学雑誌による倫理の解剖。いや、大変読みごたえのある別冊でした。監修は児玉聡先生。4章にわたって畳みかけるように思考を揺さぶられる展開もわかりやすい流れです。中1の娘に4章で得た知識を伝えたら、大変驚いていました。バタフライエフェクトならぬ、AI温暖化エフェクト…う~む、なんということであろうか。先日ディープフェイクを題材にしたNHKスペシャルドラマ「創られた“真実” ディープフェイクの時代」を家族で観たが、倫理はいつの時代も後回しだ。残念ながら自己防衛から始めるしかないんでしょうね…。2025/03/20
Go Extreme
1
科学技術の倫理的制約ー目的と影響を慎重に評価 バイオテクノロジーと生命倫理ー遺伝子編集やクローン技術 動物実験と道徳的責任 人工知能ー公平性・説明責任・透明性の原則 医療行為ー自律尊重・善行・無害・公正 エンハンスメント技術の慎重な使用 核技術と国際倫理 環境保護の優先 倫理的相対主義ー一貫性の欠如や普遍的価値の否定 ヒューマン・キメラー動物と人間の遺伝子を融合 科学者の社会的責任 デジタル化とプライバシー保護 教育ー人間の多様性と倫理的判断力育成 公共の利益と個人の自由のバランス 科学と哲学の対話必要2025/01/10
雅浩
0
初Newtonでしたが非常に興味深かったです。 倫理と道徳という同一視されがちなものの棲み分け方から始まり、倫理学の発生と哲学〜クローン技術やAIに関しての事象など、読み進めていくにつれて身近になることで倫理に対しての認識が明確になる=自分事になる構成が上手だと感じました。 哲学の基本は「手前自身で考えろ」ですが、これも例に違わず「手前自身で考えろ」という出発地点に導いてくれる内容でした。 また倫理は環境や時代によって変容するため、常に考え続けないといけない、その姿勢が感じられてよかったです。2025/02/28