出版社内容情報
哲学は,人類が2500年以上にわたってつくりあげてきた“知の結晶”です。
そのはじまりは,自然現象への素朴な疑問でした。
実は,私たちが「科学」とよんでいる学問は,
かつて「哲学」に含まれていました。
あのピタゴラスやニュートンも,現役時代は哲学者だったのです。
この本では,古代から現代にいたるまでの哲学の歴史を,
科学とのつながりに注目しながらやさしく紹介していきます。
また,哲学は科学が発展した現代でも進化をつづけています。
コロナ政策,プライバシー,オンラインコミュニケーションなど,
現代にこそ考えておくべき哲学的な問題も取りあげています。
奥深い哲学の世界をどうぞお楽しみください!
内容説明
AIと人間のちがいとは何か。今こそ知っておくべき哲学的な思考力・想像力。
目次
プロローグ(哲学で考えられてきた四つのテーマ;科学と哲学のちがいは?哲学のフローチャート)
1 哲学のはじまり 古代ギリシャ時代(自然現象への「おどろき」から哲学ははじまった;“神様のせい”では納得できなくなった;最古の哲学者は万物の根源を水だと考えた;「観察」にもとづいて「本質」にせまる;顕微鏡のない時代に「原子」が考えられた;ピタゴラスは美しい「数」を崇拝した;ソクラテスが説いた「無知の知」とは;“科学の原型”は偉大な哲学者から生まれた)
2 哲学は科学のタネ 13世紀~17世紀ごろ(イスラムから逆輸入されたアリストテレスの哲学;神学と哲学を“かみそり”で切りはなす;科学と哲学の分離が科学を発展させた;「観察」と「実験」の重要性を説いたベーコン;ガリレオは「思考実験」で地動説を説明した;世界はほんとうに存在するといえるのか;未来はすべて決まっているのかもしれない;バナナを見て「バナナ」だとわかるのはなぜか;哲学と科学に名を残した先駆者たち)
3 哲学はこうして発展した 18世紀~20世紀ごろ(見たりさわったりできない物は存在しない;原因と結果はどこまで必然なのか;ある現象の原因を逆算して考える;私たちの認識が秩序だった世界をつくる;世界は進歩しているという世界観;進歩思想が進化論にも影響をあたえた;一般相対性理論のヒントになった原理;物理学と心理学は表裏一体?;哲学の常識をかえたフロイトの思想;当たり前を証明することはむずかしい;カラスのことを調べないで、カラスがわかるのか?;科学の対象をどこまで広げるべきか;ニーチェが語る「神は死んだ」の意味するもの;ネコの生死は、いつ確定するのか?;科学の大転換「パラダイム・シフト」)
4 これからの時代に必要な現代哲学 科学と倫理 デジタル社会(各分野の研究者が哲学も発展させた;ゲノム編集ベビーは許されるか;人工呼吸器の優先順位はどう考えるのがよい?;外出制限やワクチン接種は強制してよいのか;薬の開発のために動物実験をしてもよいのか;外来種を駆除することは正しいといえるか;便利さとひきかえにプライバシーを失う?;オンラインでのコミュニケーション能力;ヒトの脳とコンピューターのしくみは同じ?;AIに「責任」はとれるのか;AIの進化で人間との区別がつかなくなる?;他人の行動を予測できるのはなぜか;現代哲学マップをながめてみよう)
5 哲学に親しむ7つの思考実験(AIは人間の言葉を理解しているのか?;「経験」することの価値とは何だろうか?;自分の「痛み」が伝わらないのはなぜ?;何かを「知っている」といえる条件とは?;自分が自分であることはどう証明する?;使う言葉がちがえば、見えている世界もちがう?;部品がすべて入れかわった船は、別の船?)
感想・レビュー
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to boy
月と星
Tomitakeya
Sansan Nag