出版社内容情報
有史以来,人類は感染症と戦ってきました。天然痘,コレラ,スペイン風邪・・・・・・。これらの感染症のパンデミックは,人類に存亡の危機をもたらしてきたといっても過言ではありませんが,ワクチンの発明などの医学の発展により,パンデミックのもたらす混乱と荒廃は近年,ほとんど忘れられていました。しかし,新型コロナウイルス感染症の莫大な人的および経済的犠牲に遭って,改めてウイルスの生態や,パンデミックの起こるメカニズムについて知る必要が出てきました。
本書は,ウイルスがどのように出現するか,人間の免疫システムがどのようにそれと戦うか,また,ワクチンや抗ウイルス薬が機能する仕組みや開発の現状,公衆衛生学上どのような感染症対策が有効かについて,わかりやすく説明します。
今知りたいことがすべて盛り込まれた,「知識による予防」に最適な1冊です。
内容説明
新型コロナウイルスの流行をきっかけに、ウイルスと免疫との関係に注目が集まっています。本書はウイルスがどのように出現するのか、免疫システムがどのようにそれと戦うのか、そしてワクチンをはじめ、どのような対策があり得るのかについて、人類とウイルスの戦いの歴史をひも解きながら解説していきます。
目次
第1章 古代から18世紀まで続いたパンデミックの克服
第2章 病気を引き起こす微生物の発見と、近代ワクチンの始まり
第3章 ウイルスとパンデミックの発生
第4章 私たちの免疫
第5章 パンデミックの拡大と緩和
第6章 抗ウイルス療法
第7章 ワクチン
著者等紹介
チャクラボルティー,アラップ・K.[チャクラボルティー,アラップK.] [Chakraborty,Arup K.]
マサチューセッツ工科大学計算生物学研究所の化学工学、理化学教授。同大学医用生体工学研究所中核メンバーの一人であり初代所長を務めた。専門は免疫学、遺伝子の転写調節因子、統計力学。マサチューセッツ工科大学とハーバード大学の共同研究組織ラゴン研究所の創設運営委員
ショウ,アンドレイ・S.[ショウ,アンドレイS.] [Shaw,Andrey S.]
売り上げ規模世界第2位のバイオベンチャー企業、ジェネンテックの免疫学および腫瘍学のシニアフェロー。ワシントン大学の免疫学部の部長職およびハワード・ヒューズ医学研究所にて、25年の研究者生活を経て現職。専門は構造生物学
山本太郎[ヤマモトタロウ]
1964年生まれ。1990年長崎大学医学部卒業。医師、博士(医学、国際保健学)。京都大学大学院医学研究科助教授、外務省国際協力局勤務などを経て、長崎大学熱帯医学研究所教授。専門は国際保健学、医療人類学。アフリカ、ハイチなどで感染症対策に従事
伊藤史織[イトウシオリ]
アメリカへの高校留学後、関西外国語大学に入学。育児の傍らバベル翻訳専門職大学院で翻訳修士号を取得し、翻訳家に。高等学校での英語指導の経験をもち、現在は翻訳指導も行う。映画等の字幕翻訳を含む映像翻訳を中心に、演劇、美容、宗教関連など幅広い分野の翻訳を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。