出版社内容情報
逆説、あるいはパラドックスとは
正しい、あるいは一見正しく見える前提から
おかしな結論が導きだされてしまうことです。
前提や、途中の考え方がまちがっていたり、
あるいは、パラドックスそのものはまったく正しいのに,
結論をおかしいと思う私たちの直感が
まちがっているということもあります。
パラドックスは、言葉や数字、論理といった実体のないものもあれば、経済学や物理学などの分野で現実に確認されているものもあります。
パズルや思考実験のような
昔からたくさんの人に考えられてきたパラドックスは、
考え方を柔らかくし、視野を広げてくれるでしょう。
身近な生活や人間社会にもパラドックスはひそんでいます。
一方、SFのような遠い宇宙や未来を舞台にしたパラドックスもあります。
本書ではパラドックスを、その性質によって7つの章にまとめました。
順番に読んでもいいですし、気になった問題に挑戦するのもいいでしょう。不思議な逆説の世界をお楽しみください。
目次
1 古典的パラドックス
2 日常にひそむパラドックス
3 人間のパラドックス
4 論理のパラドックス
5 自己言及のパラドックス
6 数学と確率のパラドックス
7 宇宙と物理のパラドックス
著者等紹介
高橋昌一郎[タカハシショウイチロウ]
國學院大學教授。1959年生まれ。ミシガン大学大学院哲学研究科修了。専門は、論理学・科学哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
101
私は「読書」を狭義で捉えるから、読書メーターで、漫画や絵本は別のカテゴリーにした方がいいのではと感じてしまう。その意味で、図鑑のレビューを登録するのも不適切かもしれない。本書には、数学的に証明できるものから、論理パズル、行動経済学として応用できるもの、意思決定に関わるもの、量子力学など、有名なパラドックスが80項目紹介されている。図鑑にする必然性は全くないが、美しいカラーページをめくりながら古今の代表的な例を眺めるのは楽しいものだ。シュレーディンガーの猫やEPRは、もはやパラドックスではない気もするが…。2022/01/10
かずぼう
23
自称ギャンブラーの私。ルーレットで5回連続で黒が出たら、6回目に黒の出る確率は?1/2の6回分=1/64、1.5625%で、赤の出る98%以上とはならない。6回目も赤の確率は1/2です。過去の結果は、未来に影響しない。コレ競馬でもやっちゃうんだよな。過去は過去。2024/09/13
テツ
22
古典的な『アキレスと亀』から誰もが知っている『囚人のジレンマ』や『ワニのジレンマ』などの古今東西の様々なパラドックスの紹介と解説。どんな問題でも何とかむりやりにでも答えをひねりだし白黒つけないと人はなかなか安心することができないけれど、生きる上で出会す諸々って本当は絶対の正解などないんだよな。矛盾すること。(少なくとも現時点では)答えが見つからないこと。提示された問題のそもそもの前提を疑わなければならないこと。そうしたものに対しての思考の仕方を身につけ、いつまでも考え続ける力って人生を豊かにする気がする。2022/11/16
まえぞう
17
この大図鑑シリーズにいれるのが適当かは疑問ですが、内容は興味深いものが多かったです。矛盾が解決できる矛盾なのか、そもそも解決できないパラドックスなのか、色んな例が示されていて、頭の体操になります。2021/10/24
ヘビメタおやじ
7
やっぱりパラドックスは面白いです。それも細かい字でちまちま書かれているよりはるかに分かりやすいです。図版も豊富で、きれいな絵面でさまざまなパラドックスを考えるのは楽しかったです。特に、自己言及のパラドックスは何度読んでも、脳が捻転を起こしそうで、頭の体操になります。2023/05/02
-
- 和書
- 異常