出版社内容情報
人や物事,事がらを疑い,進歩を阻み,人間がもつあらゆる動機は基本的に利己的と考え,高尚なものや人間の美点を否定する「シニシズム」。そんなシニシズムには,世界を変えようとする試みは失敗する運命にあるという主義の現代のシニシズムと,人々の生活状況を変えることに献身的だった古代のシニシズムが存在します。この二つは対極にあり,古代と現代のシニシズムを比較することで,古代のシニシズムがどのように現代のシニシズムの形へと変化していったのか,「批判の哲学」といわれるシニシズムの変遷をたどっていきます。そしてそこから学ぶソーシャルメディア時代に必要な「真」の正義を明らかにしていきます。
内容説明
古代ギリシャの「批判の哲学」からネット社会の「何でも否定する人」まで。マサチューセッツ工科大学出版局の人気シリーズ。待望の日本語版刊行!
目次
第1章 はじめに:逸脱に関する問題
第2章 あらゆる規律を拠否:古代シニシズムとFearless Speech(臆せず語る)
第3章 貨幣の価値を貶める:常軌を逸した古代シニシズム
第4章 暴徒への懸念:古代と中世の理想化
第5章 樽を空ける:近世の不満分子
第6章 太陽を解き放つ:啓発された哲学者と放蕩者
第7章 終末の時代を生きる:現代シニックの多面性
第8章 終わりに:シニシズムの必然性
著者等紹介
アレン,アンスガー[アレン,アンスガー] [Allen,Ansgar]
イギリスのシェフィールド大学の教育学部講師
上野正道[ウエノマサミチ]
上智大学総合人間科学部教授。山東師範大学、西北大学客員教授。一般社団法人東アジア教育研究所所長。専門は教育学
彩本磨生[サイモトマキ]
津田塾大学学芸学部国際関係学科卒。テンプル大学大学院教育学研究科英語教授法修士課程修了。日系や外資系の複数企業で幅広く翻訳経験を積んだ後、フリーランス翻訳者として独立。ビジネス一般・観光分野・エンターテイメント業界の英日翻訳実績多数。また、企業や学校でTOEICを中心とした英語指導にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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