感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
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語り部に関する数少ない研究の1冊。語り部は『古事記』のもととなる物語を天皇の命によって記憶したのだが、後に大嘗祭の時に「寿詞」を奏するだけの存在となり、普段は農民として生活していた。大和朝廷が国土を統一する過程で臣従した各地の豪族に語り部はもともと仕えており、各豪族の家の歴史を物語として伝承していた存在だったと著者は指摘する。それが天皇の代替わり儀式である大嘗祭に参加させられるようになり、伝承していた物語が天皇家にふさわしい内容に改変していったと著者は言う。また語り部の「語り」はただ普通に話すのではなく、2021/03/17