出版社内容情報
鳥と自然を愛した生物学者の学問と生涯
自然への愛を育んだ幼少期、グリーンランドで触れた真の野生、ナチ占領下の収容所生活、4つのなぜ、1950~60年代オックスフォード大学のハードコア・グループ、デズモンド・モリスやリチャード・ドーキンスらとの師弟関係、コンラート・ローレンツとの奇妙な友情、ノーベル賞受賞、晩年の躓き――
ニコと同郷出身で長年親交の深かった著者が、膨大な文献や手紙、関係者たちへの丹念なインタヴューをもとに、生物学の巨匠の生涯を等身大で描き出した本格評伝。図版154点。
鈴木俊貴氏推薦 [東京大学准教授・動物言語学者、『僕には鳥の言葉がわかる』(小学館)著者]
「動物行動学を切り拓いたナチュラリスト、ニコ・ティンバーゲン。その生涯を弟子ハンス・クルークが生き生きと描き出す。貴重な写真やイラストとともに、当時の知の胎動が映画のようによみがえる。心に深く残る伝記」
「クルークは巨匠ニコにふさわしい伝記を仕上げた。これは彼にしか書けなかった本だ。読み始めたら止まらなかった」
――リチャード・ドーキンス
【著者】ハンス・クルーク(Hans Kruuk)
1937 年オランダ生まれ。アバディーン大学名誉教授。動物学者。オックスフォード大学でニコ・ティンバーゲンに師事し、博士号を取得。バンコリー(スコットランド)の生態水文学研究センター名誉研究員。ニコと協力してタンザニアにセレンゲティ生態研究所を設立。ハイエナ、カモメ、ヒラメ、アナグマ
など、さまざまな動物の行動を研究。邦訳された著書に、『ブチハイエナ』(思索社)、『ハイエナの生態』『ハンター&ハンティッド』(以上、どうぶつ社)がある。1974 年にロンドン動物学協会科学賞、1997年に英国哺乳類学会賞を受賞。
【訳者】垂水雄二(たるみ・ゆうじ)
1942 年生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。思索社、平凡社勤務を経て、1999 年より科学ジャーナリスト、翻訳家。著書に『生物学キーワード事典』『厄介な翻訳語』『悩ましい翻訳語』(以上、八坂書房)、『進化論物語』(バジリコ)、『科学はなぜ誤解されるのか』(平凡社新書)
などがある。訳書に、クルーク『ハンター&ハンティッド』(どうぶつ社)、ドーキンス『ドーキンス自伝』『進化の存在証明』『神は妄想である』(以上、早川書房)、セーゲルストローレ『社会生物学論争史』(みすず書房)ほか多数。ドーキンス『利己的な遺伝子』(紀伊國屋書店)共訳者。
【目次】
【目次】
はじめに
第1章 野鳥と科学
第2章 オランダ育ち
家庭・兄弟・友人・学校/自然を愛する若者たちの組織/海外旅行
第3章 大学生活とグリーンランド
授業をサボって/大学院生時代/グリーンランド
第4章 1930年代のエソロジスト
グリーンランドから帰国後のライデン大学/ジガバチ類のフィールド研究/ライデン大学での実験/ニコとコンラート/コンラートのもとを去り、ふたたびライデン大学で
第5章 第二次世界大戦と戦後
ドイツ軍による占領/戦後のライデン大学で/生産性・アイデア・旅行/本能の研究/オックスフォード大学への転出
第6章 再出発――1950年代のオックスフォード大学で
到着/ハードコア・グループ/著作と学問/1950年代後半の学生たち/ニコの研究プロジェクト/ニコとアカデミア/家庭と仕事
第7章 ニコのふたつの世界――1960年代のオックスフォード大学で
砂丘、鳥、そして獣/4つのなぜ/ウォルニー島/セレンゲティ/写真と映画撮影/ふたたび大学人として、ニコの別の世界/著述・講演・国際会議/家でも、仕事していても、どこにいてもうつになる
第8章 ノーベル賞と人間行動
ノーベル賞受賞者/小児自閉症/アレクサンダー・テクニーク
第9章 黄昏ゆく日々
引退/旧友たち/家族・別荘・生活
第10章 ニコのレガシー
評価/成果――出版物と影響力/栄誉/継承された学問/志を継ぐ者たち/追想
訳者あとがき
ニコ・ティンバーゲン著作一覧/註/索引



