出版社内容情報
⇒ 【試し読み】はこちらからご覧いただけます(PDF 3.72MB)
人形で遊ぶメスのチンパンジー、孤児を養子にするオスのボノボ……
彼らの行動は、どれほど人間と通じているのだろうか。
オスとメスの違いは、生まれつきのものなのか。
はたして「ジェンダーがあるのは人間だけ」なのか――?
★ユヴァル・ノア・ハラリ推薦! 20か国で刊行決定!
霊長類の社会的知能研究の第一人者が、進化生物学とフェミニズムの間で繰り広げられる、性をめぐる論争に風穴を開ける。
「動物と人間の行動における性差は、人間のジェンダーにまつわるほぼすべての議論の核心にあるさまざまな疑問を提起する。男と女の行動の違いは自然のものか、人為的なものか? 両者は本当はどれほど違うのか? ジェンダーは二つしかないのか、それとも、もっとあるのか?」(本文より)
《本書への賛辞》
「性とジェンダーに関する白熱した論争に、科学的で思いやりのあるバランスのとれたアプローチをもたらす、すばらしく魅力的な本」
ユヴァル・ノア・ハラリ(『サピエンス全史』著者)
「……男性か女性か、クィアかストレートか、トランスジェンダーかノンバイナリーかを問わず、より公正で平等な社会を築くために私たち皆が行うべき重要な対話を、間違いなく刺激する」
サイ・モンゴメリー(『愛しのオクトパス』著者)
「女vs男。性vsジェンダー。生物学vs社会的な教え込み。性差というテーマほど、愚か者を誘惑する話題はなかなかないが、ドゥ・ヴァールは賢明だ。人間の性差という魅力的なトピックを、非常に明快に、洞察力と機知に富んだ方法で調べ上げ、結局のところ、私たちも霊長類の一種にすぎないことを決して忘れさせない。じつに刺激的だ」
ロバート・M. サポルスキー(『善と悪の生物学』著者)
「性差という危険地帯に踏み込むには勇気がいる。秀でた語り、文化に対する敬意、そしてボノボやチンパンジーに対する深い知識を頼りに、ドゥ・ヴァールはこの危険な領域を巧みに乗り越えている」
サラ・ブラファー・ハーディ(『マザー・ネイチャー』著者)
《目次より》
第1章 おもちゃが私たちについて語ること:男の子と女の子と他の霊長類の遊び方/第4章 間違ったメタファー:霊長類の家父長制社会を誇張する/第6章 性的なシグナル:生殖器から顔、美しさまで/第7章 求愛ゲーム:慎み深い女という神話/第8章 暴力:レイプと謀殺と戦争の犬ども/第11章 養育:母親による子育てと父親による子育て/第12章 同性間のセックス:虹色の旗を掲げる動物たち 他
内容説明
はたして「ジェンダーがあるのは人間だけ」か―霊長類の社会的知能研究の第一人者が、性をめぐる論争に風穴を開ける。
目次
おもちゃが私たちについて語ること 男の子と女の子と他の霊長類の遊び方
ジェンダー アイデンティティと自己社会化
六人の男の子 オランダで姉妹を持たずに育つ
間違ったメタファー 霊長類の家父長制社会を誇張する
ボノボの女の連帯 忘れられた類人猿の再考
性的なシグナル 生殖器から顔、美しさまで
求愛ゲーム 慎み深い女という神話
暴力 レイプと謀殺と戦争の犬ども
アルファオスとアルファメス 優位性と権力との違い
平和の維持 同性どうしの競争と友情と協力
養育 母親による子育てと父親による子育て
同性間のセックス 虹色の旗を掲げる動物たち
二元論の問題点 心と脳と体は一つ
著者等紹介
ドゥ・ヴァール,フランス[ドゥヴァール,フランス] [de Waal,Frans]
1948年オランダ生まれ。米国科学アカデミー会員。エモリー大学心理学部教授、ヤーキーズ国立霊長類研究センターのリヴィング・リンクス・センター所長、ユトレヒト大学特別教授を歴任。霊長類の社会的知能研究を牽引した世界的科学者であり、その著書は20以上の言語に翻訳されている。2007年に米「タイム」誌の「世界で最も影響力のある100人」、2019年に英「プロスペクト」誌の「世界のトップ思想家50人」の一人に選ばれた。2024年3月逝去
柴田裕之[シバタヤスシ]
1959年生まれ。翻訳家。早稲田大学理工学部、アーラム大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。