出版社内容情報
中国でもっともらしく語られる日本人論にも、
また日本でもてはやされる中国人論にも、
違和感ばかりを覚えてしまう――
上海の大学で日本文学と日本文化を教える“外教″である著者が、コロナ禍の上海で数多の本を読みながら、「上海について、上海を通して、上海をきっかけにして」縦横無尽にめぐらした思考の軌跡。
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《目次》
1 図書館の工房
2 本のために読者を、読者のために本を
3 「礼儀」が田舎にやって来た
4 あの日あの時サンパウロで
5 偉大さへの自信は火薬とともに
6 ディープなキッスには批評が宿る
7 マラドーナの横にフランチェスコリがいたのなら
8 ゴールキーパーだった詩人の「きらめくような幸運」
9 暴君と独裁君主
10 信じる前に考えるようになった
11 洗濯物は何を語るか
12 紅い遺伝子
13 すべての作家は「幹部」である
14 「存在」と「生命」の間で
15 “病衣”を着て“病友”に囲まれて
16 ?屁股、泡屁股(カオピーグー、パオピーグー)
17 「一帯一路」と麦わら帽子
18 十月、いまだ実現されていない世紀
19 ごま味噌腸粉と広東オペラ
20 向前一小歩、文明一大歩
21 風と波と上海と
22 もうひとつのオン・ザ・ロード
23 紅いピラミッド