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クレイジー・ライク・アメリカ―心の病はいかに輸出されたか

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  • サイズ B6判/ページ数 342p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784314011037
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C0011

出版社内容情報

日本のうつ病、スマトラ沖地震後のPTSDなど、4つの国を舞台に精神疾患のグローバル化が各国の文化に与えた衝撃とその背景を追う

科学的知識の普及か? 善意の支援か? 治療のための研究か? それとも金儲けか? ――アメリカ型の精神疾患の概念が流入して以後、各国で発症率が急増し、民族固有の多様な症候群や治療法が姿を消しはじめた……。日本のうつ病、スマトラ沖地震後のPTSDなど、4つの国を舞台に、精神疾患のグローバル化がそれぞれの文化に与えた衝撃と、その背景を追う。

【著者紹介】
イーサン・ウォッターズ:『ニューヨークタイムズマガジン』『ディスカバー』など多数の雑誌に寄稿しているジャーナリスト。サンフランシスコに妻子と在住。

内容説明

科学的知識の普及か?善意の支援か?治療のための研究か?それとも金儲けか?―アメリカ版の精神疾患の概念が流入して以後、各国で発症率が急増し、民族固有の多様な症候群や治療法は姿を消しはじめた…。4つの国を舞台に、精神疾患のグローバル化がそれぞれの文化に与えた衝撃と、その背景を追う。

目次

第1章 香港で大流行する拒食症
第2章 スリランカを襲った津波とPTSD
第3章 変わりゆくザンジバルの総合失調症
第4章 メガマーケット化する日本のうつ病

著者等紹介

ウォッターズ,イーサン[ウォッターズ,イーサン] [Watters,Ethan]
アメリカのジャーナリスト。『ニューヨーク・タイムズ・マガジン』や『ディスカバー』、『WIRED』などに執筆。また、サンフランシスコに「作家のための洞窟(Writer’s Grotto)」というワークスペースを設立、ライティングの講師もつとめる

阿部宏美[アベヒロミ]
京都大学教育学部心理学科卒(臨床心理学専攻)。現在は九州大学人間環境学府にてうつ病に関連する遺伝子を研究するとともに、九州大学と共同して学際研究を訳している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

17
スムーズな訳文で読みやすい。日本でうつ病に関する新しい見方がどのように広められていったのかを追う第4章がスリリングで特に面白かった。(精神)疾患観は欧米流の生物精神医学に基づくものが普遍的なのではない。文化によって異なるのである。現地の文化を考慮に入れずに欧米の医学モデルを持ち込むことは、必ずしもいい結果をもたらすとは限らない。2017/02/07

Yuichiro Komiya

11
世界各国(主にアジア圏)で精神病がどのようにアメリカから輸出されたかを描いた本。明確な結論を記載しているわけでなく、実際起こったことを淡々と描いている感じ。確かにPTSDとかうつ病とかがこんなに一般的になったのは、欧米の精神科医やメディアの責任も大きいだろうなと思った。2016/12/28

くさてる

11
アメリカ流の精神疾患概念がいかに輸出され、それ以外の国の文化でどういう役割を果たしたかということを検証した内容。一方的な弾劾するような内容ではなく、冷静な表現に努めているとは思うけれど、スリランカのエピソードでは、相手の文化を軽視して手を差し伸べる行為の無意味さと傲慢さにため息が出た。でも結局は、最終章での「アメリカであれどこであれ専門家にはあまり選択肢がなく、手持ちの知識や技術でできるだけのことをするしかないのだ」という言葉に頷くしかないと思います。2014/02/26

コジターレ

10
メンタルヘルスの専門家にとっても衝撃的な本だった。若かりし頃、何の疑いも持たずにアメリカの製薬会社が作ったストーリーに沿って研修を行っていた自分が恥ずかしくなる。しかし、本書も含めて、専門家は一体何を信じて語ればいいのだろうか。捏造された論文、隠された治験データがあるのは分かっていたけれど、それでも何かの情報にすがりたくなるものだ。曇りなき眼で見つめて考えていくしかないのだろう。また、スリランカやザンジバルの事例も大変印象深い。文化的・宗教的な調和を考えず、西洋の押し付けが生み出すものに恐怖を覚えた。2019/06/10

ぼのまり

8
最先端の医療研究は時として、誤った方向へ人をいざなう。この本では、心の病に関するアメリカの研究成果のグローバル化の悪い側面を捉えている。中でも抗うつ剤を日本で売るために、病気そのものを巧妙に操作している製薬会社の話は初めて知った話であり、驚きが多かった。と同時に、精神疾患(だけではないが)に対する絶対的な薬など存在しなことを改めて認識する。2013/08/31

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