ガイドツアー複雑系の世界―サンタフェ研究所講義ノートから

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  • サイズ B6判/ページ数 573p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314010894
  • NDC分類 404
  • Cコード C0040

出版社内容情報

複雑系という広大な世界を、ガイド付ツアーのように巡り学ぶ入門書。生命活動や社会の営みなど、複雑な現象を解明する試みとは?

科学の未踏の領域――《複雑系》の世界へようこそ

◆ヒトの脳に存在する無数のニューロンという「物質」は、いかに「意識」のような複雑な現象を生みだすのか?
◆免疫系、インターネット、国際経済、ヒトのゲノム――これらが自己組織化する構造を導いているものは何か?
◆一匹では単純に振る舞うアリが、グループを形成すると、ある目的のために統率された集団行動がとれるのはなぜか?

本書は、上に挙げた例のように、従来のシンプルな還元論的手法では説明しきれない複雑な事象の解明を目指す「複雑系研究」の概説書です。
同研究の発祥の地サンタフェ研究所に所属する著者によって、一般向けの講義をベースにして書かれ、英米で高く評価されました(2009年アマゾン・コム科学書ベスト10、2010年英国王立協会推薦科学図書ほか)。
1990年代中頃、日本にも複雑系ブームが訪れましたが、未だ多くの問題が残され、科学者たちを魅了し続けています。
その基盤となる考え方から、最新の研究、今後の展望まで、第一線の研究者を案内人として、その広大で魅力的な世界を訪ね巡るような一冊です。


■「エキサイティングな複雑系理論の基礎を学ぶ最良の教科書」
    ――スティーヴン・ストロガッツ(コーネル大学教授)

複雑系理論の基礎を学ぶのによい本はないかという質問を、ここ何年か受け続けてきたが、ついに答えが手に入った。
「このメラニー・ミッチェルの本を読みなさい」それが答えだ!
本書は明瞭で分かりやすい。また複雑系科学を支持する者に対してばかりでなく、それに疑いを持つ者にも公正である。
優れた解説者でもある第一線の科学者によって書かれたこの本は、このエキサイティングな分野について学ぶ最良のものだ。


■「複雑系」とは?

従来の還元論的手法では説明しきれない、複雑で適応的な現象についての研究。
その対象の例としては、「気象予測」、「生物の生命維持活動」、「物質の集まりから発生する知能の本質」、「文化、政治、経済など人間社会の営み」、「情報ネットワークの発達とその影響」などが挙げられる。
これらの複雑な現象を一つの学問分野で説明することは不可能であり、新たな科学的基盤による学際的な理解の方法が20世紀後半に求められた。
そんな状況下で、複雑系研究が発生したともいえる。
ただその正確な定義は難しく、複雑系の総本山であるサンタフェ研究所においてさえも、意見の一致をみていない。
同研究所は1984年に米・ニューメキシコ州サンタフェに創設され、当時世界中の天才科学者たちが新たな「知」のパラダイムを創造せんと結集し、世間の脚光を浴びた。

【目次】

第1部 背景と歴史

 第1章 複雑性とは何か?
昆虫のコロニー/脳/免疫系/経済/ワールドワイドウェブ/「複雑なシステム」に共通する性質/複雑性はどのようにして測れるのか?

 第2章 力学、カオス、そして予測
力学系理論の起源/予測についての新たな見方/線形ウサギと非線形ウサギ/ロジスティック写像/カオスのなかの普遍性/カオスに基づく革新的な考え方

 第3章 情報
情報とは何か?/エネルギー、仕事、エントロピー/マクスウェルの悪魔/統計力学の概略/ミクロ状態とマクロ状態/シャノンの情報

 第4章 計算
計算とは何か? 何が計算可能なのか?/ヒルベルトの問題とゲーデルの定理/チューリングマシンと計算不可能性/チューリングマシンとして定義された一定の手続き/万能チューリングマシン/チューリングの決定問題の解決方法/ゲーデルとチューリングが歩んだその後の道

 第5章 進化
ダーウィン以前の進化の概念/ダーウィンの理論の起源/メンデルと遺伝のメカニズム/現代の総合/現代総合説への挑戦

 第6章 初歩の遺伝学
DNAの仕組み

 第7章 複雑性の定義と測定基準
複雑系の測定基準――サイズ/エントロピー/アルゴリズム情報量/論理深度/熱力学深度/計算能力/統計的な複雑性/フラクタル次元/階層度


第2部 コンピューター上の生命とその進化

 第8章 自己複製するコンピュータープログラム
生命とは何か?/コンピューター上での自己複製/自己複製コンピュータープログラムのより深い意味/DNAにおける自己複製/フォン・ノイマンの自己増殖オートマトン/ジョン・フォン・ノイマン

 第9章 遺伝的アルゴリズム
遺伝的アルゴリズムのレシピ/現実世界の遺伝的アルゴリズム/進化する空き缶おそうじロボット「ロビー」/GAによって進化した戦略はいかにして課題を解決したか?/GAによる進化の経過


第3部 拡張される計算

 第10章 セル・オートマトン、生命、そして万能計算
自然界の計算/セル・オートマトン/ライフ・ゲーム/四つのクラス/ウルフラムの「新しい科学」

 第11章 粒子による計算

 第12章 生物系における情報処理
情報処理とは何か?/免疫系/アリのコロニー/生物代謝/これらのシステムの情報処理

 第13章 コンピューター上で類推を実現する
簡単なことは難しい/類推する/私のたどった類推への道/単純化された類推/模倣者たれ/正しい模倣の仕方/コピーキャットプログラムの概要/コピーキャットの実行/要約

 第14章 コンピューターモデリングの展望
モデルとは何か?/概念モデル/協力関係の進化をモデル化する/モデリングの展望/コンピューターモデリングの注意点


第4部 ネットワーク思考

 第15章 ネットワークの科学
狭い世の中/ネットワークの新しい科学/ネットワーク思考とは何か?/それでは「ネットワーク」とはいったい何か?/スモールワールドネットワーク/スケールフリーネットワーク/ネットワークの耐障害性

 第16章 現実世界へのネットワークサイエンスの適用
現実世界のネットワークの例/ネットワーク思考の意義/スケールフリーネットワークの起源/べき乗則とそれに対する疑問/情報の伝播とネットワーク障害の連鎖

 第17章 スケーリングの謎
生物学におけるスケーリング/学際的な協力/べき乗則とフラクタル/代謝スケーリング理論/代謝スケーリング理論の持つ可能性/批判/べき乗則の未解決の謎

 第18章 複雑化する進化の理論
遺伝学の複雑化/遺伝子とは何か?/エボデボ/遺伝的調節とカウフマンの「秩序の起源」/カウフマンの理論に対する反応/要約


第5部 結論

 第19章 複雑性の科学の過去と未来
統一理論と一般原理について/複雑系研究の起源/五つの問い/複雑性の未来、あるいはカルノーを待ちながら

 訳者あとがき
 図版クレジット
 参考文献
 原注 
 索引

【著者からのコメント】
 本書に取り上げてきた科学の多くはまだ産声を上げたばかりだが、かくも野心的な目標を実現するという将来の展望があるからこそ、複雑系は真に魅力的な研究分野だといえる。
 そして一つ確実にいえることがある。どんな偉大な科学の場合にも当てはまるが、これらの目標を追求するには、主流科学から定義のはっきりしない未踏の領域に分け入ることによって、被るかもしれない失敗や非難をいとわずに挑戦する意欲と、冒険的な知的精神が必要である。作家で冒険家のアンドレ・ジッドの言葉を借りれば、「新たな土地を発見するためには、いったん海岸線から離れなければならない」のだ。
 読者の皆さん! ともに複雑性の新たな大地を探検できる日がいつかやってくるのを心待ちにしながら、ここに本書を閉じることとする。
(本文第19章末より)

【著者紹介】
著者 メラニー・ミッチェル
ポートランド州立大学教授(コンピュータサイエンス)。サンタフェ研究所客員教授。ミシガン大学博士課程在籍中、師ダグラス・ホフスタッター(『ゲーデル、エッシャー、バッハ』著者)の指導の下、人間の類推機能を模倣するコンピュータープログラム「COPYCAT」を共同開発する。英米で評価の高い本書『ガイドツアー 複雑系の世界』は、2009年のアマゾン・コム科学書ベスト10、2010年に英国王立協会推薦科学図書として選ばれ、同年のファイ・ベータ・カッパ・クラブ(全米優等学生友愛会)科学図書賞を受賞した。邦訳に『遺伝的アルゴリズムの方法』(東京電機大学出版局)がある。


訳者 高橋 洋(たかはし・ひろし)
同志社大学文学部文化学科哲学及び倫理学専攻卒。IT企業勤務を経て翻訳家。
共訳にクラインマン『八つの人生の物語――不確かで危険に満ちた時代を道徳的に生きるということ』(誠信書房)がある。

内容説明

ヒトの脳に存在する何兆ものニューロンという「物質」は、いかに「意識」のような複雑な現象を生みだすのか?免疫系、インターネット、国際経済、ヒトのゲノム―これらが自己組織化する構造を導いているものは何か?一匹では単純に振る舞うアリが、グループを形成すると、ある目的のために統率された集団行動がとれるのはなぜか?第一線の研究者を案内人として、その広大で魅力的な世界を訪ね巡る、本格的入門書。

目次

第1部 背景と歴史(複雑性とは何か?;力学、カオス、そして予測;情報;計算;進化;初歩の遺伝学;複雑性の定義と測定基準)
第2部 コンピューター上の生命とその進化(自己複製するコンピュータープログラム;遺伝的アルゴリズム)
第3部 拡張される計算(セル・オートマトン、生命、そして万能計算;粒子による計算;生物系における情報処理;コンピューター上で類推を実現する;コンピューターモデリングの展望)
第4部 ネットワーク思考(ネットワークの科学;現実世界へのネットワークサイエンスの適用;スケーリングの謎;複雑化する進化の理論)
第5部 結論(複雑性の科学の過去と未来)

著者等紹介

ミッチェル,メラニー[ミッチェル,メラニー] [Mitchell,Melanie]
ポートランド州立大学教授(コンピュータサイエンス)。サンタフェ研究所客員教授。ミシガン大学博士課程在籍中、師ダグラス・ホフスタッター(『ゲーデル、エッシャー、バッハ』著者)の指導の下、人間の類推機能を模倣するコンピュータープログラム「COPYCAT」を共同開発する。英米で評価の高い『ガイドツアー 複雑系の世界』は、2009年のアマゾン・コム科学書ベスト10、2010年に英国王立協会推薦科学図書として選ばれ、同年のファイ・ベータ・カッパ・クラブ(全米優等学生友愛会)科学図書賞を受賞した

高橋洋[タカハシヒロシ]
同志社大学文学部文化学科哲学及び倫理学専攻卒。IT企業勤務を経て翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やいっち

60
2011年に訳本が刊行。原書は2009年刊。やや古いか。本書が書かれたころには既に複雑系フィーバー(?)は終わっていたという声もある。観方を変えれば、研究が熟成の時代に入ったとも言えるか。2020/12/06

roughfractus02

7
原題はComplexity: A Guided Tour 。complex systems(複雑系)より計算機科学の計算量を指すcomplexity(複雑性)に重心を置く本書は、チューリングマシン、おそうじロボット「ロビー」と進化、類推するロボット「コピーキャット」と計算の拡張を通じて、生物のスケーリングをスケールフリーネットワークから検討する。Xt+1= R・Xt(1−Xt)なる計算式で、R=2で収斂、R=3で周期振動、R=3.569946でカオスとなる繁殖のロジスティックモデルが手に取るようにわかる。2020/01/19

velikiy99

7
計算機科学を基盤に,いわゆるカオスを研究している著者による,カオスに関連したトピックを網羅的に扱った一般向け講義を基にした内容.著者の専門ということもあり,様々なトピックの中では,生物学に関連したものが多め.一般向けということもあって,カオスそのものの事例だけでなく,背景にある物理学・生物学についても丁寧に説明されていて読みやすく,勉強にもなった.著者がHofstadterに師事するきっかけになったエピソードが,個人的には良かった.2019/02/22

ステビア

6
わかりやすく勉強になるお得な本。エボデボ。カウフマン!2014/02/16

Mark.jr

3
複雑系科学とは伝統的な科学の解釈では十分に説明できない現象を扱ったもので、本書はその入門的ガイドを目指して書かれた本です。一言で複雑系と言っても、扱われる分野は多岐に渡り、本書でも物理学・生物学から情報力学まで取り上げられています。で、実際どういうことをやっているかというと、自然のランダム性を再現するプログラムを書いたりなど、つまり自然現象の中から法則を見つけ出すという、従来の科学と基本的には変わらないことをやっているわけです。割と専門的用語が多用されたりするので、理学の知識が無かったらやはり難しいかも…2019/07/14

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