出版社内容情報
11~16世紀のヨーロッパを舞台に,ユダヤ教や初期キリスト教,異端的神秘主義者たちから受けつがれた「千年王国幻想」が,現世での楽園を求める民衆のエネルギーや想像力と結びついていったさまを,ドラマティックに再現する。中世史の埋もれた部分に光をあてた社会史的研究であるとともに,文学・人類学・宗教学・社会学などに多くの問題を投げかけた名著。
千年王国信仰が民衆のエネルギーや想像力とどのように結びついたかをドラマティックに再現し、中世史の影の部分に光をあてた画期的名著。
ノーマン・コーン:1915年、ロンドンに生まれる。イングランド、アイルランドの諸大学で教鞭をとる。元サセックス大学教授。1968年に人種関係問題でアニスフィールド・ウルフ賞を受賞。2007年没。著書に『魔女狩りの社会史』(岩波書店)他。
江河徹:1926年生まれ。1962年東京都立大学博士課程修了。立教大学、フェリス女学院大学各名誉教授。訳書にノースロップ・フライ『教養のための想像力』他。
内容説明
本書は、十一世紀から十六世紀にかけてヨーロッパの根無し草的な貧民のあいだにあらわれた千年王国の幻想とその背後の中世社会を描いている。ユダヤ教や初期キリスト教、あるいは十三世紀の修道院フィオレのヨアキムや異端的神秘主義者たちから受けつがれた千年王国信仰が、預言者やメシア、宗教的セクトを媒介にして、現世での楽園を求める民衆のエネルギーや想像力とどのように結びついたかを、本書はドラマティックに再現する。
目次
本書の範囲
黙示録預言の伝統
宗教的異義申し立ての伝統
生活の方向を見失った貧民たちのメシア主義
反キリスト軍勢に立ち向かう聖徒
十字軍の余波のなかで
メシアたる皇帝フレデリック
自己犠牲的贖罪者のエリート
道徳に縛られない選民たち
平等主義的自然状態
平等主義的千年王国・1
平等主義的千年王国・2
平等主義的千年王国・3
結論
著者等紹介
コーン,ノーマン[コーン,ノーマン][Cohn,Norman]
1915年、ロンドンに生まれる。1933‐39年までオックスフォード大学クライスト・チャーチの研究員をつとめ、戦後、イングランド、アイルランドの諸大学で教鞭をとる。元サセックス大学教授。1968年に人種関係問題でアニスフィールド・ウルフ賞を受賞。2007年没
江河徹[エガワトオル]
1926年、大分県日田市に生まれる。1962年東京都立大学博士課程修了(英文学専攻)。立教大学、フェリス女学院大学各名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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