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ナショナリズム - その神話と論理 (新装復刊版)

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  • サイズ A5判/ページ数 190p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314009843
  • NDC分類 311.3
  • Cコード C0010

出版社内容情報

<書物復権2005年・8社共同復刊>
水戸学や国学など幕末・維新期の思想的相克を背景に、日本ナショナリズムの成立とその命運を巨視的に描出する野心作にして、この分野の基本文献。

★姜 尚中さん(東京大学教授)「私のおすすめ」(「i feel」出版部50周年記念号より)★
「 橋川文三という人は、ナショナリズムの妖しげな魅力にイカれるぎりぎりのところにいた。だからこそ、麗しさと醜悪さとを同時にはらむナショナリズムの生理を全身でわかっていた。そういう稀有な存在なのではないかと思う。
 いまナショナリズムが語られるときに必ず出るのが「心」の問題。唾棄すべきものだと批判するのはたやすいが、なぜ人々が虜になるのか、それをたじろがずに受け止めなくてはいけない。その意味で、ナショナリズムの内的な駆動力を見事に分析した橋川の仕事は現在でも示唆に富む。
 丸山真男は、「マルクスを読んでいない」「政治音痴だ」と橋川を評した。しかしそれゆえに、アカデミズムの限界を突破する潜在力を秘めていたと、捉え直すべきだろう。
 本書のような、日本のナショナリズムに関する古典的な著作は意外に少ない。小手先で論じる人は多いが、もっと深いところに到達するには橋川文三を触媒にするしかないとすら、私は思っている。」


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「妖しい魅力と醜悪さという、ナショナリズムの表裏を
全身でわかっていた稀有な存在--
今こそ広く読まれるべき、示唆に富む一冊だ」  姜尚中(東京大学教授)

「作者自らは失敗と断ずる不思議な傑作。
ナショナリズムの神秘を表現できるのは、
敗北が勝利へと転ずる両義性のみだったのだ」  大澤真幸(京都大学教授)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobby

2
日本の「ナショナリズム」は明治維新後の「啓蒙専制」的な統治によって形成されたもの。幕末期に主に民衆において支持された国学的な神国思想は「パトリ」の性格を有しており、「ナショナリズム」という抽象的な政治共同体への忠誠とは直結しない。そして「パトリ」的な国学の原動力は、明治時代への移行に伴って、抑圧されていき、ここにおいて近代日本における「下からのナショナリズム」の契機は失われていった。2012/03/04

Ikkoku-Kan Is Forever..!!

0
まず最初に、home feelingとnational feelingと峻別して、一般にナショナリズムが郷土感情と区別されるより高次の集団への感情を問題とすることを述べて、日本のそれについて幕末以降の展開をみる。後期水戸学、吉田松陰と見つつ、「日本の近代的ナショナリズムは、ある意味では日本神国思想の挫折の上に築かれた」として明治と峻別。そこで明治が背負った「国民」創出のシステムに一般民衆には異質の武家の「家」概念を応用したというのはへえと思った。でも、その前後、個人的にもう少し検討してみたいとも思った。2011/12/19

あじゅ

0
日本のナショナリズムをどう捉えるか。非常に示唆に富む内容だった。著者自身は「敗退の記録」と嘆いた本書だが、特に日本のナショナリズムを語るおいて、必須の書であることに相違ない。2011/02/23

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