出版社内容情報
アメリカ映画の奥の奥へ――気鋭のアメリカ文学者が35本の作品を読みとき、
合衆国の社会と文化を貫く特質に迫る。
『モダン・タイムス』『マルコムX』など、日本でもよく知られたアメリカ映画
35本を、アメリカ文学者が読みとく評論集。映像、ストーリー、社会の反応な
どから、時代時代の空気を読みとり、統計などの資料によって、アメリカ社会の
現実と対応させながら論じている。それぞれの作品の見方を深めるとともに、ア
メリカ社会を知る入門書としても楽しめる。
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本書は、映像文学を通してアメリカを読み取ろうとする試みである。・・・・
本書の構成は・・・
まず、アメリカ文化の特質を「闘い」と捉え、本書の基本コンセプトを「アメリカの闘い」と設定した。・・・
各論において、二作品を並列、対比して考察するという方法をとり、
共通するテーマを展開し、論の広がり期した。
各テーマにふさわしい映像スチール写真を掲載しただけでなく、
それぞれに論の内容に関連する背景データを配した。・・・
そして、映像作品を空間的、時間的にも理解して、一層関心を深めていただけるよう、
「地図」と「年表」を作成した。 まえがき より
アメリカ映画の特質を映像文学というコンセプトで解明する斬新な試み
大橋健三郎
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1 機械文明と自然における闘い
機械文明に生きる人間像
*モダン・タイムス
*キートン将軍
アメリカの幽霊
*怒りの葡萄
*遥かなる大地へ
<コラム> 歴史的存在としての放浪者
2 反逆の世代の闘い
父と子のアメリカ
*エデンの東
*黄昏
体制への反発
*俺たちに明日はない
*明日に向かって撃て
人間が輝くとき
*ロッキー
*フラッシュダンス
<コラム> 「検閲」 対 「自主規制」
3 解放のための闘い
新生への旅
*カッコーの巣の上で
*ダンス・ウィズ・ウルブス
ひたすらに解放を追い求めて
*十戒
*ポセイドン・アドベンチャー
闘う黒人たち
*グローリー
*マルコムX
アメリカ人感覚のヴェトナム反戦
*7月4日に生まれて
*ひめゆりの塔
ゲイ解放の日をめざして
*真夜中のパーティ
*フィラデルフィア
<コラム> ゲイ・プレイから「エイズ・プレイ」へ
4 信念の闘い
暴力と言葉
*ダーティハリー
*マルタの鷹
失われたエートスを求めて
*アラバマ物語
*夜の大捜査線
真の人間教育を求めて
*いまを生きる
*陽のあたる教室
誰が大統領を葬るのか?
*JFK
*大統領の陰謀
<コラム> 大統領の権力
5 ニューライフに賭ける闘い
虹の彼方へ
*オズの魔法使
*アニー
女たちの旅立ち
*アリスの恋
*結婚しない女
帰還兵の闘い
*セント・オブ・ウーマン
*ディア・ハンター
「老い」を生きる
*八月の鯨
*ドライビング・ミス・デイジー
<コラム> アメリカの宗教事情
内容説明
『モダン・タイムス』『ロッキー』『マルコムX』など、日本でもよく知られたアメリカ映像作品を、アメリカ文学者が読みとくと、何が見えてくるだろうか。本書は、35本のアメリカ映像作品を取り上げ、テーマや社会背景などを掘り下げ、アメリカ合衆国の歴史と文化を貫く特質に迫ろうという試みである。自然との対峙、60年代の対抗文化、ヴェトナム戦争、「アメリカン・ドリーム」、家族や「老い」の問題など、さまざまな視角から、統計などの資料によって、現実のアメリカ社会と対応させながら論じている。作品の見方を深めるためのガイドブックとしても、また、映像作品を通じてのアメリカ社会入門書としても、楽しめる内容である。
目次
1 機械文明と自然における闘い
2 反逆の世代の闘い
3 解放のための闘い
4 信念の闘い
5 ニューライフに賭ける闘い
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