出版社内容情報
クレオールの作家として,初めてゴンクール賞を受賞した著者が,みずからの子供時代をふりかえった珠玉作。貧しいながらも,生命力にあふれる魅力的な母親や,個性的な兄弟たちに囲まれて,内気だった少年は,やがて作家となるべき意識を育てていく。クレオール語を詩的に練りあげた文章でつづる,マルチニックの少年の物語。カルベ・ド・ラ・カリブ賞受賞作。
内容説明
不思議な光が、子供の世界にはあった。クレオール文学の旗手が描く魔法に満ちた少年時代。カルベ・ド・ラ・カリブ賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
101
カリブ海にあるマルティニーク島出身の作者による小説。日本人にあまり馴染みのないクレオールの生活が描かれている。タイトルにあるように作者の幼年時代の思い出が、マルケスを思わせるマジックリアリズムで表現されていた。やや読みにくい翻訳なのだが、作者の筆は魔法を帯びており、ありふれた普通の生活が色彩豊かにまるで神話の一ページのように書かれているので、読んでいると陶然とした気持ちになる。祈りのような結末の作者の言葉は切なくも悲しい。2015/01/07
Porco
18
現代日本人として、カリブのクレオール文学から何を読み取れるかというのは、なかなか難しい問題ではないでしょうか。2017/08/28