出版社内容情報
ベルリンの壁の崩壊は本当に「民主主義の勝利」だったのか。コミュニズム崩壊後の空洞を埋めるものは何か。
ナショナリズムの高まりと大量虐殺,イスラム原理主義,ネオナチ運動,民族的・宗教的紛争と排外主義……フランスの著名な思想家が「世紀末の現在」を読み解き,こうした混乱の背後にひそむ「純粋さへの意志」の危険について警鐘を鳴らす。
内容説明
民主主義は本当に勝利したのか。コミュニズム崩壊後の空洞を埋めるものは何か。歴史が再び回帰しているいま、「純粋さへの意志」こそが、未来を読み解く鍵である。ベルリンの壁崩壊後の世界の行く末を占う書。
目次
第1章 歴史の回帰
第2章 純粋さへの意志
第3章 民主主義文明の困惑
第4章 問いへの回答、ポピュリズム
第5章 何をなすべきか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひろゆき
2
新哲学、右派。コミュニズム崩壊後の、新たな原理主義(イスラム、民族主義等)を批判、その共通の精神基盤を暴き、それに対する現行西洋民主主義のだらしなさ、欺瞞も鋭く批判する。民主主義のなかの原理主義の一形態としてポピュリズムもばっさばっさ切りまくる。このあたりは読んでいて気持ちいい。が依って立つ著者の民主主義とはなにかが明らかにされないまま。これじゃ不可知論だよなと思い始めたら、著者自身が不可知論と述べていた。でも民主主義なる著者の確信は揺るがないのだから不徹底な不可知論のような。2014/07/03