自然へのまなざし―ナチュラリストたちの大地

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自然へのまなざし―ナチュラリストたちの大地

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314007474
  • NDC分類 460.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

足もとの自然をまず歩いてみよう。生きものたちの賑わいに眼を向けよう。そうすれば,新しい発見がある。ナチュラリスト40年の著者が,自然を歩き生きものとふれあうなかで生まれた思索エッセイ集。幼少年期の生きものとの交流,今もなおその頃の好奇心と優しさに満ちたまなざしが光る。オリジナリティ溢れた着眼点は,読む人に新鮮な驚きと感動を与えるだろう。

本書は、自然という言葉が示唆する不確定な領域をめぐる、違和感の産物であある。
私の心の中には、人びとが日常的に自然と呼ぶ領域について、
かなり以前から、ちがう、ちがうと、つぶやくものがいた・・・・・
自然とは、私にとってなによりもまず大好きな生きものたちであり、
そんな生きものたちの暮らしを載せて足もとに広がる、
水系や、丘陵や、雑木林である。
・・・・・私の思考は、はたしてどこまでうまく進んだろうか。
その行程が、自然の賑わいとともにある未来のエコロジカルな文化、
未来のすまい感覚を探る方向に、開かれていれば、幸いである。
                              本書より

1 ナチュラリスト
    *
生きものの賑わい
   小網代の冬・小さないのち満ちる
   生物多様性論ブーム
   実利論の限界

ランドスケープ
   山野河海
   ランドスケープ・エコロジー
   ランドスケープ保全への注目

さまざまな自然像
   畏怖すべき自然
   産業文明の自然像
   一人一人の自然像

鶴見川
   危機の流域に春
   ヨコハマナガゴミムシ
   オオタカも危機?

ナチュラリスト
   ナチュラリストの一日
   思い出
   もうひとつの常識

交流する感性の回路
   バグの流域
   知識と行動
   自然と交流する能力

生きものへの共感
   生きものの感触
   生きものたちを図鑑にしない
   物語、神話、そして進化論のちから

小網代の夏1994
   アカテガニ産卵
   保全への動き
   真夏の干潟・心の小宇宙

    *
2 進化論・生きもの
    *
進化論への関心
   ナチュラリストと生物学者の間
   すべての生きものは親戚である
   自然選択の解釈

利己的な遺伝子
   遺伝子の乗り物
   遺伝子の利己性はコピー率の高さ
   利他行動の利己的遺伝子的解釈

科学の領域で
   種の維持論の崩壊
   利己的遺伝子論はナチュラリストの道具
   利己的遺伝子説の啓発力と難しさ

社会の領域で
   流行現象が誤用・悪用を誘発
   利己的遺伝子流人間学の流行
   混乱する利己と利他の定義

人間と利己的遺伝子
   ひとは単純な生存機械ではない
   ミームの支配、複雑な文化
   祖先たちの婚姻形態

卓越する自然観と現代進化論
   存在の偉大なる連鎖
   闘争・進歩・発展論との混同
   今西進化論の自然観

生きものは共感的な実在である
   私に似たものとして
   生きものと生存機械
   煩悩的な存在

続・共感的な世界
   生存と繁殖の葛藤
   進化の被害者という感覚
   共感的に開かれていること

ナチュラリストと進化論
   チチブの繁殖習性をしらべた
   雌雄逆転型の不思議なハゼ
   進化生物学のはたすべき仕事

    *
3 地球・大地
    *
地球
   宇宙からの地球像
   地表人たちの地球
   地球イメージの転換

限界
   まだまだ安泰なのか
   人口増加に急ブレーキ必要
   環境革命の時代

転換
   環境倫理学の指針
   インパクト方程式
   地域からの環境革命

心の地図
   生きものたちはすみわける
   人のすみ場所感覚に定形はあるか
   固定的でないのが適応的?

地域
   人工化・個室化してゆくすみ場所感覚
   大地に広がるすみ場所感覚
   生態・文化地域主義


   川との出会い
   探検は川にそっていく
   流域発見

流域思考
   鶴見川流域を歩き始める
   鶴見川流域ネットワーキング
   行政の動向とも連携する

続・流域思考
   源流・泉ひろば
   大地への共感を開く川歩き
   いるか丘陵・ばくの流域・かわせみの谷・泉ひろば

地球人への道
   自然の賑わいが見えてくること
   だれとどこに暮らすのか
   一人一人の物語のなかに

エピローグ

内容説明

自然を歩き、生きものとふれあうなかで生まれた思索エッセイ。等身大の「環境革命」を指向するナチュラリストの魂の書。

目次

1 ナチュラリスト(生きものの賑わい;ランドスケープ ほか)
2 進化論・生きもの(進化論への関心;利己的な遺伝子 ほか)
3 地球・大地(地球・限界 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

アナクマ

29
小網代の流域管理を牽引したひとりで『利己的な遺伝子』などの訳者。「足もと重視のナチュラリスト暮らしとインターネット…未来はそんなスタイルが不可避」 94-96年のエッセイを、野外活動界隈の一里塚として紐解く。◉「いま行いがちな環境教育は、さまざまな人間関係を経験するという土台のない学生に、とつぜん科学的な人間関係論の講義を聞かせてその達人にするような錯誤」「自然と人間の日常的な交流に関する言葉の不在…いまから自然度をあげとかなくちゃ」「まずは身のまわりの山野河海を相手とする社交性」を手に入れようと誘う。2024/02/11

じょうこ

6
30年前の本である。SDGsという言葉が市民権をようやく得てきた今、読んでよかった。ごくごく自然態で、森の中や川べを歩くがごとく、一歩一歩、踏みしめるように自然への「まなざし」を語る筆者の語り口は、私には、土の感触とともに心を穏やかにしてくれる。「足もとの自然」観を学べ、「生き物たちの賑わい」を考えられる本。涼しくなったら、川辺や小網代の森へ行こう。2025/08/22

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