出版社内容情報
シェイクスピア劇の大きな魅力は,多様な演出が可能だという点にある。だからこそシェイクスピア劇はくりかえし映画化されてきた。これらの映画と原作は,どのような緊張関係にあるのだろうか。「ロミオとジュリエット」はじめ,人気のある6作品,12タイトルの映画を気鋭のシェイクスピア研究者が取りあげ,原作と映画のスリリングな関係に迫る。
内容説明
原作と映画を徹底比較。どれから読もう、何から観よう。映画と原作のスリリングな関係を気鋭のシェイクスピア研究者が読む。
目次
ロミオとジュリエット―土地の香り
マクベス―魔の世界
ヘンリー五世―イギリスの星
から騒ぎ―生きる喜び
ハムレット―孤独な王子
テンペスト―魔法の島
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
viola
7
約750本あると言われるシェイクスピア映画。シェイクスピアの映画の本は数多くあれど、これは特に良書だと思います。『ロミオとジュリエット』、『マクベス』、『ヘンリー五世』、『ハムレット』、『テンペスト』の映画化作品を幾つかピックアップし、それぞれ比較してみるというもの(『から騒ぎ』はケネス・ブラナーのみ)。まぁそこはよくありそうなもんなんですが、著者の文章力が素晴らしい!今まで気付かされなかった映画の細部に気がついたりと勉強になります。シェイクスピアってほんといいよね、と思わず泣けてきました。2011/10/20
トリスタン
0
著者は英文学の研究者だが、英文学の研究者であることとシェイクスピアの映画について語ることには、特権的な関係がある。シェイクスピアの語る言葉への深さの理解が、シェイクスピアの作品に基づいた映画作品の理解には不可欠だからだ。ただし英文学の素養だけでは映画について語ることはできない。この著者のように映画作品の細部にとどく目をもっている必要があるのだ。こみの本をみつけたのは、思いがけない収穫だったと思う。2020/01/05