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出版社内容情報
ボードレールやマラルメの詩から,フランケンシュタインの怪物,黒人文学,さらには母子関係,妊娠中絶,教育,政治的スキャンダル――多彩な題材を繰りながら,著者はあざやかな手さばきで脱構築という「差異の哲学」を「現実世界」へ押しひろげてみせる。デリダ的洞察が現実の〈男と女〉の差異に適用されたとき,いったいそこで何が起こったか?
ディコンストラクションを文学という閉域に囲うのではなく、現実世界の権力構造、とりわけ男と女の差異へと押しひろげていく力作批評集。
目次
第1部 脱構築の運命(栄光と転落;厳密なる非信頼性;現代的なエクリチュールは保守的か?;ジェンダー理論とイェール学派;ディコンストラクション、フェミニズム、教授法)
第2部 空白の意味作用(猟犬、鹿毛の馬、雉鳩―『ウォールデン』のわかりにくさ;パナマの抹消―マラルメと歴史のテクスト;無知の教え―《女性たちの学校》)
第3部 詩的言語と差異(奇妙な発作=適合―ポーとワーズワスによる詩的言語の本質論;詩的言語の暴力;マラルメの華―相互テクスト性についての考察)
第4部 母親、ジェンダー、人種(母親としてのマラルメ;わたしの怪物/わたしの自己;メタファー、メトニミー、声―『彼らの眼は神を見ていた』における;差異の境界―ゾラ・ニール・ハーストンにおける語りかけの構造;頓呼法、生命化、妊娠中絶)