出版社内容情報
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(検索は9784314701334のISBNとなります)
理想境界の概念は,主としてリーマン面の理論,とりわけその上のポテンシャル論で有効に用いられている。本書では,偏微分方程式の視点から,優調和函数の概念とマルチン境界・倉持境界の構成とそれらの性質,調和函数・優調和函数の表現定理などを解説する。本書によって,ポテンシャル論と偏微分方程式論との有機的な関連を見ることができよう。
内容説明
理想境界の概念は、主としてリーマン面の理論、特にその上のポテンシャル論において有効に用いられているが、理想境界のうちで最も有用と思われるものはMartin境界と倉持境界であろう。本書では、偏微分方程式の考え方によって、優調和函数の概念とMartin境界・倉持境界の構成およびそれらの性質を解説し、調和函数・優調和函数の表現定理および関連する重要な定理を示した。読者は本書によって、いわゆるポテンシャル論と偏微分方程式論との有機的な関連を見ることもできるであろう。本書は多くの結果を述べるよりも、主要な定理の証明を詳しく述べることを主眼として書かれているから、偏微分方程式論としてのみならず、ポテンシャル論のためのMartin境界・倉持境界の解説書として読まれてもよい。
目次
序章 理想境界考察の由来
第1章 拡散方程式・楕円型境界値問題に関する準備
第2章 優調和函数
第3章 Martin境界
第4章 滑らかな境界のMartin境界への埋め込み
第5章 楕円型偏微分作用素に関する正則写像
第6章 Neumann型理想境界(倉持境界)
第7章 滑らかな境界のNeumann型理想境界への埋め込み