出版社内容情報
科学理論のえがく世界像はどこまで真なのか? 「科学とは何か」という根本的な問いに精緻な論理で正面からいどんだ本格的科学論。
第一章 序論
第二章 科学的実在論をめぐる様々の議論
第一節 科学的実在論と構成主義的経験論
一・一 科学的実在論のテーゼ
一・二 実在論に対する様々な代案
一・三 構成主義的経験論
第二節 理論-観察の「二分法」
第三節 最善の説明への推論
第四節 説明要求の限界
第五節 共通要求の原理
第六節 説明の限界--一つの思考実験
第七節 デーモンと究極的論証
第三章 現象を救うこと
第一節 モデル
第二節 見かけの運動と絶対空間
第三節 ニュートンの理論の経験的内容
第四節 理論とその拡張
第五節 拡張--勝利と限定付きの敗北
第六節 構文論的アプローチの失敗
第七節 解釈学的循環
第八節 経験的記述の限界
第九節 新たなる理論像
第四章 経験主義と科学方法論
第一節 経験主義的認識論と懐疑論
第二節 方法論と実験の考察
二・一 理論の役割
二・二 電子の電荷測定
二・三 ボイドにおける方法論の哲学的説明
二・四 科学的実践の現象学
第三節 理論の連言をめぐる反論
第四節 実用論的優位性と説明
四・一 他のいくつかの優位性
四・二 実用論の侵入
四・三 説明の追求
第五章 説明の実用論
第一節 説明の言語
一・一 真理と文法
一・二 いくつかの例
第二節 偏向した歴史
二・一 ヘンペル--信念の根拠
二・二 サーモン--統計的に関連のある要因
二・三 理論の全体的な性質
二・四 二つの困難--非対照性と拒絶
二・五 因果性--それがなければ起こらなかったであろう条件
二・六 因果性--サーモンの理論
二・七 因果性からの手がかり
二・八 なぜ--疑問
二・九 手がかりへの注釈
第三節 説明の非対称性--ショート・ストーリー
三・一 非対称性と脈絡--アリストテレスのふるまい
三・二 「塔と影」
第四節 説明の一つのモデル
四・一 脈絡と命題
四・二 疑問
四・三 なぜ-疑問の理論
四・四 答えの評価
四・五 前提と関連性への注釈
第五節 結論
第六章 確率--科学の新たなる様相
第一節 一般科学における統計学
第二節 古典統計力学
二・一 無知の尺度
二・二 客観的確率と認識的確率との分離
二・三 無限の侵入
第三節 量子力学における確率
三・一 古典的な場合との相違点
三・二 条件確率としての量子論的確率
三・三 観測の仮想的アンサンブル
第四節 確率の経験主義的解釈にむけて
四・一 実験のモデルとしての確率空間
四・二 厳格な頻度解釈
四・三 傾向性と仮想的系列
四・四 様相的頻度解釈
四・五 統計的理論の経験的十全性
第五節 様相--哲学的切り詰め
五・一 経験主義と様相
五・二 科学の言語
五・三 形而上学なき様相
第七章 穏やかなる論争学
B.C.ファン・フラーセン:1941年生まれ。オランダ出身。現在はおもにアメリカで活躍。プリンストン大学教授(哲学)。
丹治信春:1949年大阪に生まれる。1971年東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学分科卒。1976年同大学院科学史・科学基礎論博士課程単位取得退学。現在、首都大学東京教授。著書:『言語と認識のダイナミズム』(勁草書房)他。
内容説明
全篇通じて、実に緻密な論理が精力的に展開されている。「科学とは何か」という問いに迫った本格的著作である。
目次
第1章 序論
第2章 科学的実在論をめぐる様々の議論
第3章 現象を救うこと
第4章 経験主義と科学方法論
第5章 説明の実用論
第6章 確率―科学の新たなる様相
第7章 穏かなる論争学
著者等紹介
フラーセン,B.C.ファン[フラーセン,B.C.ファン][Fraassen,Bas C.van]
1941年生まれ。オランダ出身。現在はおもにアメリカで活躍。プリンストン大学教授(哲学)
丹治信春[タンジノブハル]
1949年大阪に生まれる。1971年東京大学教養学部教養学科科学史・科学哲学分科卒。1976年同大学院科学史・科学基礎論博士課程単位取得退学。現在、首都大学東京教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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