生きるということ

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生きるということ

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  • サイズ B6判/ページ数 284p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314001816
  • NDC分類 361.4
  • Cコード C0010

出版社内容情報

【『生きるということ 新装版』2020年8月下旬刊行予定です! 】

真に生きる喜びが得られる生き方とは?
財産、知識、健康、社会的地位、権力……現代の私たちは〈持つ〉ことに専心し、それを自分の価値とみなしている。

人が生きていくうえでは、〈持つ〉ために限りなき生産と消費に追われ、“慢性の飢餓状態”にあるのでなく、あらゆる執着から解き放たれ、何ものにも束縛されず、生きる喜びを感じられるような、ただ〈ある〉という、もうひとつの様式がある。

日常の経験や先人たちの思想を例に、〈持つ様式〉と〈ある様式〉の生き方を比較・検討し、新たな人間像と社会のあり方を提唱する。




【著者】エーリッヒ・フロム (Erich Fromm 1900‾1980年)
精神分析に社会的視点をもたらし、いわゆる「新フロイト派」の代表的存在とされた。真に人間的な生活を可能にする社会的条件とは何かを終生にわたって追求したヒューマニストとしても知られる。著書に『自由からの逃走』『破壊』『悪について』『ワイマールからヒトラーへ』『反抗と自由』ほか多数。

【訳者】佐野哲郎 (さの・てつろう)
京都大学名誉教授。訳書に、フロム『反抗と自由』『フロイトを超えて』ほか多数。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

43
1976年初出。持つことと、あること(裏表紙)。シューマッハーのラディカル・ヒューマニストとしての2つの論拠は、現在の社会秩序は病人にすることと、社会体制をラディカルに変革しなければ、経済破局に進むということ(25頁)。史上初めて、人類の肉体的生存が人間の心のラディカルな変革にかかっている(26頁)。あることと持つこととの違いは、人を中心とした社会と、物を中心とした社会の間にある(39頁)。2016/01/23

イプシロン

31
(再読)原題は『To have or To Be ?』――持つべきか? あるべきか? である。フロムは警告する。人類が持つこと、すなわち消費を繰り返す文明と手を切らない限り、数百年後に核にで自殺し滅亡すると。現在の世界情勢を見るに、彼の予見にまず間違いはないだろう。それは資本主義の破たん、政治の右傾化、毫も変わらぬ資源の搾取という産業体制、宗教を歪曲した宗教的イデオロギーによる支配の強化、極端な貧富の格差となって、いま地表を覆っている。無論、破滅を逃れる方法も提示されている。それこそが「ある」ことだ。2016/07/15

テツ

28
「もつこと」と「あること」 生きていく上でどちらに舵を切るか。物品や金銭だけではなく愛する相手すら所有することを、所有することへの満足感だけで考えてしまうことはないか。もつことへの執着ではなく、あることを望み自らがあることを自らだけの力だけで続けていくこと。なかなか難しいことだけれど、あることを幸福に感じそれを維持することを楽しめるように意識改革ができれば人の世はかなり穏やかになるんだろう。2018/09/27

寛生

17
それは、それは、深ーい、ふかーい本。もともと、英語で76年に出版されているようだが、まるで昨日書きおろされたかのような、信じられない新鮮さをもって、現代社会、特に市場原理主義の中で、生きつづけようとしている私に、語りかけてくる。原書のタイトルを直訳せずに、「生きること」と訳しているのも、この本の真髄を表現したものである。どんな状況下にあっても、人間の真のなにかを、悉く追求し、それを、何とかことばで表現しようとするフロムの魂が伝わってくる。本当に美しい本。何度も再読したい。2013/06/02

Taka

15
非常に難しくて読むのが大変だった。「持つ」生き方ではなく「ある」生き方、すなわち富や権力を所有することを目的とした生き方ではなく、ありのままを大事にして自分らしく能動的に成長する生き方を提唱する。現代の資本主義社会では、とかくお金や地位に振り回されることが多いが、そこに流されるのではなく、自分の気持ちや信念を大事にして生きていきたいと改めて思わされた。2015/09/02

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