- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 歴史
- > 学陽書房(人物・教養)
内容説明
甲斐国郡内(現在の山梨県東部地域)小山田家に生まれた信茂は、文武に優れた才能を武田信玄に認められ川中島、三方ケ原の戦い等で鍛え上げた投石隊を率いて奮戦し、武田家の栄光に大いに貢献していく。しかし、信玄亡き後、時代の波は大きくうねり、信茂と武田家を追い詰め、信茂は、愛する郡内の地と民を守るため、身を裂かんばかりの苦渋の決断に迫られるのであった…。
著者等紹介
山元泰生[ヤマモトタイセイ]
1941(昭和16)年生まれ。宮崎県延岡市出身。宮崎県立延岡高校、早稲田大学第一文学部に学ぶ。出版社に編集者として勤務ののちライターに転じ、広く新聞・雑誌で、国際問題、社会事件、歴史人物などの取材・執筆を重ねる。日本ペンクラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roatsu
16
真田丸では哀れな小悪党と演出されてしまったが、武田二十四将の堂々たる一角として活躍した猛将・名君としての実像がよく伝わる物語だった。情報量の多さと情景描写も好みな感じ。物語の中で厳しい自然環境と武田・北条の勢力境という事情を抱え、暮らしが過酷だった当時の郡内地域を想起できる。領民に年に数度でも米の飯を食べさせてやりたいという信有・信茂兄弟の会話が何とも印象深い。先日、小山田氏の野戦城砦があった大月の岩殿山に登る機会があったが、今も同地で大切に語り継がれる小山田信茂の姿が各説明から強く伝わってきた。2016/03/12
BIN
1
最後の最後で武田勝頼を裏切ったことで評判の悪い小山田信茂を描いた作品。悪評高き人物のため他作品では活躍どころはあまり書かれず、裏切りのシーンだけが書かれることが多い中、活躍シーンがよく書かれている。山県昌景が若手NO1と評するぐらいだからすごい人物なのだろうが、若干誇張し過ぎのように思えた。また勝頼の暴君ぶりや佞臣たちの無能さがより誇張されて書かれているように思えた。2013/11/09
Yuichiro
1
信玄亡きあと武田家滅亡への道を必死で止めようとした姿に、「男」を感じました。あまりスポットが当たらない人物だけにちょっといつもとは違う新鮮な気分で読めました。2012/02/13
ヒコ
0
山間部が多く寒冷地では米の生産性は悪かった小山田氏の郡内地方。強兵と呼ばれた武田軍にあっても、貧窮の軍団は最強の軍団になり得たと思います。本書においても勝頼の愚将ぶりが発揮され、小山田信茂は最後まで武田に尽くそうとしたが、力及ばなかったという観点で書かれています。郡内に北条の軍勢が迫り北条との最後の和睦がならなかった。お屋形様一行を迎える状況ではなくなった。書状で勝頼に詫びたとしても土壇場での裏切りの印象は拭えません。2012/12/27
Ryuji
0
★★★★★