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内容説明
「一人前のはなし家になるまで帰らないつもりでいたんだ」十五で家出し、二十歳で弟子入り。落語への情熱は本物だったが、十代から覚えた飲む打つ買うの三道楽はやめられない。師匠を怒らせ、仕事をしくじり、借金はかさんでゆく…。後の名人・古今亭志ん生の若き日の彷徨であった。不世出の天才落語家を闊達に描く力作長編、待望の復活。
著者等紹介
結城昌治[ユウキショウジ]
1927(昭和2年)~1996(平成8年)。東京都生まれ。早稲田専門学校卒業。東京地検勤務等を経て作家。63年、「夜の終る時」で日本推理作家協会賞受賞。70年、「軍旗はためく下に」で直木賞受賞。85年、「終着駅」で吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
49
芸に熱く、友情に厚い。周囲の人気・出世を尻目に芸を磨く。自他責、両面での”回り道”も、芸の肥やしと世間を知る助け。看板も芸と人の証。東西で同じ芸名、一代”跳ばして”継承など、芸名に賭けるも芸人魂か!?(笑)人気と技術の相関関係に悩むのも芸人故。一方、飲む・打つ・買うに悩むりん。その健気さに、遊びも芸の内・・・の説得が寂しい。看板となり、子供も生まれ、公私共に転換期を如何に生きるかが下巻の楽しみ。因みに、落語は話す、講談は読む・・・、言われて納得。2016/02/27
ぐうぐう
9
志ん生の落語が、その強烈なキャラクターによって形成されたとするならば、その人生がおもしろくないはずがない。名前は縁起物だと、コロコロと名を変えていく、のちの志ん生こと美濃部孝蔵。しかし、名が何度変わっても、読んでいてまるで混乱しないのは、孝蔵のキャラクターが一貫して強烈ゆえだ。昭和を目前としているのに、30半ばとなったこの噺家は未だ売れる気配なし。名人志ん生誕生まで、まだ遠し。いざ、下巻!2010/08/16
Bond
1
上巻は孝蔵の紆余曲折、堂々巡りの巻。芸名はコロコロ変わるは、金が入ると酒と博打でオケラになっちゃう、の繰り返しで、何でこの人は自制が利かないのだろうと思ってしまう。まるでのび太のよう。飽きさせないで読ませるのはさすが。2018/01/23
ワンモアニードユー
0
結城昌治さんのファンなので、そちらから入りました。 落語好きでもあるんですけどね。 しかしまったくの芸人さんという感じで、ひどい奴です。 人間的には魅力的なんでしょうけどね。2012/06/21