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内容説明
念願の物産会を成功裡に終えた源内は本草探しに各地を歩き回り、江戸で初の腑分け(人体解剖)に立ち合い、エレキテルを復元し、秩父の鉱山開発に携わる。一方、浄瑠璃や戯作をものし、画才、事業家としての手腕も発揮。合理的精神の持ち主ゆえに、奇人・変人と見なされたマルチ人間・源内の悲喜劇と数奇の生涯を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Wyoshi
1
才気走った、時代をあまりにも先取りしてしまった男は、その強烈な承認欲求を世間に満たしてもらえず、才能を金もうけに使い、また、世間に対する焦燥感から孤独になって逝く。「盲人の国では、目明きはカタワ」という言葉もある(今は使えない)。まさに源内は江戸時代では目明きであり、ヒトに認められない目明きであったのだ。いつの時代も才能がありすぎて浮いてしまう人がいる。筆者も言う。「そなたは利口すぎるバカだ」。言い得て妙であろう。時には才を隠して、ある程度バカのふりをすることも必要だ。2016/06/10