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内容説明
閉塞状況の中にあって、試衛館道場でうつうつとした日々を送っていた歳三は、幕府の浪士新徴に応じ京へ向かう。新選組の結成から、峻烈な局長法度の規律による組織づくり、池田屋襲撃、禁門の変、戊辰戦争へとつづくわずか六年の間の転変と、命ある限り戦いぬいた男の激烈な生と死を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
75
新選組の鬼の副長として生きた土方さんの姿がここにはありました。鬱々とした日々など、内面にかなり深く彫り込んだような印象を受けます。憎まれながらも、隊士たちの行く道を常に考えている土方さんの姿は、単なる鬼の副長と言われる人物と異なります。時代の流れに逆らうためには、あえて憎まれ役にならざるを得なかったのかもしれません。下巻も読みます。2018/05/02
えみ
63
知れば知るほどもっと知りたくなる男。私にとってそれは土方歳三その人だ。今回の鬼の副長は運命論者、乱世に適した男として描かれる。近藤を支え、新選組を命と等しく想い、守り抜くため鬼となる。個人より組織を守る。今の時代なら大いに問題有だが、身分制度が厳しかったこの時代に元は武士に憧れた者達が結成した新選組。それを踏まえると本物の武士とは「志がある事」と豪語する彼には組織を守らない個人など、罪人も等しい存在だったのかもしれない。隊内外の動向が前後しているところもあるが、雄藩や世情も並行して描かれていて勉強になる。2021/10/18
ともくん
60
最も、スタンダードな土方歳三もの。 どれもこれも、知っている話だが、新たな発見も。 作者によって、見解の違いや、歳三の人となりの違いなどあり、土方歳三ものはどれだけ読んでも飽きがこない。2020/07/15
よっしー
18
新選組副長の生涯を書かれた物語。私の知っている物とは、「新選組」と呼び始めた時期が違ったりと、所々あれっと思う場面がありました。山南さんや沖田さんとの関係性が個々ではあまり好きでは無い感じで書かれているのも少し残念です。とはいえ、合間に資料のようなものが入っているので、時代を客観的に見れるような気がします。とりあえず、このまま下巻を読みたいと思います。2022/05/17
♪mi★ki♪
9
新選組土方モノだと司馬遼太郎の燃えよ剣の方が有名だけど、私はこっちの歳三の方が好き。もっと売れても良い本。