内容説明
親に対して秘密をもってみたり、大人を批判してみたり、何もしゃべらなくなってみたり、…そういったさまざまな陰影を見せるようになってくる時期、思春期。あるシュタイナー学校に舞台を借りて、子どもにどう接したらいいかを具体的に展開します。
目次
第1部 6年生の教室で―反抗と変容の時期を支える(「優秀なクラス」で始まった反抗、そして事件;職員会議で探る「反抗期の本当の意味」;ハリエット先生が授業を参観し、アドバイスする;12歳前後の変容の時期をどう導くか;保護者会での本音の議論と大きな前進)
第2部 それぞれの物語―問題を抱えた子どもを支える(投げやりでやる気が持てない―ゴードンのケース;ドラッグに走った少女と母親の苦しみ―キンバリーのケース)
第3部 2年生から7年生までの「成長のレポート」―ある少女の旅をたどる
著者等紹介
ケプケ,ヘルマン[ケプケ,ヘルマン][Koepke,Hermann]
1937年ドイツ生まれ。35年にわたってシュタイナー学校の教師をつとめてきた。シュタイナー教育教師養成課程などでも教え、現在はヨーロッパ各地で後進を導いている
合原弘子[ゴウハラヒロコ]
1959年長野県生まれ。東京大学社会学研究科博士課程を経て、米国ニューヨーク州にあるウォルドルフ・インスティテュートのシュタイナー教育教師養成課程を修了
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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りんふぁ
2
深い、そしておもしろい!物語にしてあるから、起きた問題に一緒に悩み、考えていくことができる。実際に現場にいかしやすい。これは欲しい。2020/05/12
れむ
1
題材はタイトルどおり。シュタイナー教育について小説の形態を取って、新任教師と子供達、そしてそれを支えるベテラン教師の対話になってる。非常に読みやすくわかりやすい。反抗期という子供に取って荒波のような時期に対して大人はどう接していくのがよいかという事を述べてる。これはかなりよかった。2014/03/10
kodomiru
1
これほどまでに、わかりやすく14歳を表したのもないのではないのではないでしょうか。 反抗期のことを『嵐の中の船』と例えていることや、歴史を成長に関連付けて話すのは、いつも感心させられ、わたし自身もっと学びたいと感じます。 反抗期で途方に暮れるまえにどうぞ2013/07/11
oko
1
いま抱えてる生徒のことで頭も心もいっぱいだった 一緒に見ている仲間もいない今の状況でわたしが彼にどう対峙すべきかしょいこんでいた 何十年も勉強してきたシュタイナーだけど、自分の子どもの年齢に合った物しかそういえば読んでなかった、とこの本を手に取った やっぱり子どもは悪くない どんなに反抗期でもどんなに大人にひどい態度でもすべてをひねくれてみていても 子どもは悪くないんだ 確信した 今は彼に会うのが楽しみ 2012/06/27
ミュンヘン
1
思春期の子どもの教育に役立つ自省できる本。だらしなく宿題をしない子ども。忙しい両親は子どもを叱り、一方で何もさせない。子どもは「逃げる」ことだけがモットーとなり自分は役に立たない、というセルフイメージができてしまう。そんな子を支える覚悟をした教師は、彼を楽しく笑わせてやろうと明るく陽気に彼に接することを決める。【ゴードンの苦しみは「人と深く関わることができない」ということからきていた(略)それは彼の人生にかかわる大人たちが、互いに真剣な関心を持ち、結びつこうとしてこなかったことを反映しているだけ】2010/07/10
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