出版社内容情報
制定以来60年ぶりに全文改正された教育基本法(平成18年12月22日法律第120号)の逐条解説書!
前文及び本文全条一つひとつについて、その内容及び問題点と課題について、日本国憲法、旧法の精神と原則、子どもの権利条約等の国際人権条約、学説・判例・教育条理等を踏まえ、また、「国民の教育を受ける権利」の保障に貢献するという日本教育法学会の基本理念と目的のもとに丁寧に読み解いた教育基本法のコンメンタール決定版!
目次
第1章 教育の目的及び理念(第1条(教育の目的)
第2条(教育の目標) ほか)
第2章 教育の実施に関する基本(第5条(義務教育)
第6条(学校教育) ほか)
第3章 教育行政(第16条(教育行政)
第17条(教育振興基本計画))
第4章 法令の制定(第18条)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
katoyann
14
現行教育基本法(2006年改正)を逐条解説した研究書。日本教育法学会に所属する研究者が条文解釈している。大きな改正の要点をいくつか。①第二条の五項には「我が国と郷土を愛する」とあるように時の政府が決めた伝統や文化への愛と忠誠を教育目標に定めることは、個人の自由意志を尊重する民主主義の原理に反し(51頁)、近代立憲主義にも違背する。②第16条教育行政は旧法にあった教育の国民への直接責任制規定を削除し、教育は法律に定めるところにより行われるとして、学校を国家に対して責任を負う存在にしたこと。教育の国家主義だ。2022/08/16